有村架純が主演する連続テレビドラマ『中学聖日記』(TBS系)の第2話が16日に放送され、平均視聴率は前回から0.5ポイント増の6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。このドラマは、婚約者がいながらも、自分が担任する中学校の男子生徒に心惹かれていく教員・末永聖(有村)の禁断の恋を描くヒューマンラブストーリーとされている。
自身が受け持つクラスの生徒・黒岩晶(岡田健史)から突然告白された聖。当初は軽く受け流そうとしたが、どうやら彼が本気であることを知り、それ以降はなるべく晶と距離を置くように心がけていた。
このあたりは、教師モノのドラマとして安定した感じである。このドラマが掲げる「教師と中学生の恋愛」というテーマはまったく好きになれないが、普通に有村演じる中学校教師が奮闘しながら成長する物語だったらまだ見られただろうに、と思う。
さて、自分を遠ざける聖の態度にイライラを募らせていた晶は、体育祭でムチャな行動に出る。強引に聖の手を引いて用具室か何かに連れ込み、ドアを閉めたのだ。出ようとする聖を力ずくで引き戻す晶。せっかくいい流れでドラマが進行していると思っていたが、これにはドン引きだ。いくら中学生とは言え、セクハラを通り越して犯罪だろう。
さすがの聖もこれには黙っていられず、「はっきり言うけど、こういうの迷惑だから。やめて」と毅然と言い放った。ようやく言ってくれた。年頃の男子に変な期待を持たせてはいけないのだ。
これでしばらくは晶の片思いも収まるかと思いきや、傷心の彼は勝手に体育祭を抜け出し、自転車で街を徘徊し始める。そしてなぜか路上の障害物にタイヤを取られて転倒し、足をすりむくケガをしてしまう。そこにたまたま、車に乗った聖が通りかかる。「それはさすがに漫画的だろう」とツッコミを入れずにはいられないが、漫画が原作なのだから仕方がない。
車から降りた聖は半袖のカットソーを着ており、どうしても胸のふくらみが目立つ。晶がいきなり「先生、僕のこと嫌いにならないでください」と抱きついてしまうのも無理はない。なんとか晶をあしらった聖は、晶の母親に連絡が付かないため、やむを得ず彼を自宅に連れて帰ることにした。まずは傷の手当てをしようというのだ。
いやいや、それはあまりにも無防備すぎないか。なんなら誘っているとしか思えない。いったんは「迷惑だ」ときっぱり切り捨てたのに、その同じ日に(そのつもりがないとはいえ)期待を持たせるような言動を取っていることに気付かないのだろうか。「被害者ぶっているが、お前も悪いぞ」と聖に対するイライラ感が募ってくる。
この後、コンビニで飲み物を買って戻ってきた晶と、突然大阪から訪ねてきた聖の婚約者・川合勝太郎(町田啓太)が玄関先で鉢合わせするところで第2話は幕切れとなった。勝太郎の性格から言って、ここでいきなりもめ事が起こってしまうことはなさそうだ。だが、これをきっかけに聖と勝太郎、そして聖と晶の関係性に変化が生じていくことは間違いないだろう。
長々とあらすじを追ったが、教師と中学生の物語がおもしろかったかといえば、まだ全然おもしろくはない。中学生の言動はかなり寒いし、前述の通り有村演じる教師も視聴者をイラつかせるからだ。これに対し、大阪で暮らす勝太郎とその上司・原口律(吉田羊)のパートはかなりおもしろい。吉田のSっ気全開の演技と、うまくそれを受け止める町田のイケメンぶりとがガッチリ噛み合い、大人同士のテンポの良い会話劇として楽しい。とりあえずは、吉田羊と町田啓太の演技合戦を楽しみに視聴を継続したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)