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『科捜研の男』第4話で突然“良質なドラマ化”で視聴率急上昇…「刑事部長」千原ジュニアに酷評噴出?

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 関ジャニ∞・錦戸亮が主演を務める連続テレビドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)の第4話が28日に放送され、平均視聴率は前回から1.4ポイント増の11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

 このドラマは、陰惨な過去を持つ科捜研法医研究員・真野礼二(錦戸)が、現場に残された痕跡を基に事件の真相に迫るサスペンス。新人の法医研究員・沢口ノンナを新木優子が、捜査一課のベテラン刑事・虎丸良平を船越英一郎が演じる。

 第4話は、真野の同僚である相楽一臣(山崎樹範)の兄・浩司(やべきょうすけ)が遺体で発見された事件がテーマとなった。部屋からは犯人につながる証拠が一切見つからず、捜査は難航する。真野や沢口は真相を明らかにしようと独自に科学捜査を続けるが、相楽は「余計なことをするな」といきり立つ。それでもわずかな証拠を見つけるべく捜査を続けていた真野は、遺体が見つかった浩司の部屋に飛び散った血痕から、ついに真相を突き止めた――という内容だった。

 その真相とは、実は浩司は殺されたのではなく、迷惑ばかりかけた弟に保険金を残そうとして殺人を装って自殺した、というもの。兄と弟のすれ違いや誤解が悲しい結末を生んだという種明かしも切ないもので、そこそこ泣ける話に仕上がっていた。

 捜査によって真野は浩司の死が自殺であることを暴いてしまったため、「弟に保険金を残そう」という彼の思いは無駄になってしまった。さらに、浩司が生前に大麻を使用していたことも突き止めてしまったため、警察組織における相楽の立場はかなり悪くなってしまったはずだ。

 だが、大麻に手を出していたのは、がんの痛みを緩和するためであり、なぜそんなことをしたのかといえば、治療にお金をかけるくらいなら弟に残そうと考えたからだった(治療費より大麻が安いのかどうかは知らないが)。

 今回真野がしたことは、相楽にとってはまるっきり「余計なこと」であった。そのおかげで相楽は退職を決意することになり(結局慰留されたが)、保険金も受け取ることができなかった(はずだ)。それだけで終わっていたら、少々後味が悪くなっていたことだろう。

 だが、すべての真相を知った相楽は、吹っ切れたようにサバサバしていた。見ているこちらも救われた気分だ。彼は不器用な言い方で「今回のことは感謝してる」と真野に礼を述べ、続けて「今日飲みに行くんだ。おごってやるからお前も来い」とぶっきらぼうに誘う。真野はマスクで隠れていない目元をわずかに緩め、黙って顕微鏡をのぞいた。地味ではあるが、犬猿の仲だった2人の関係が少し修復されたことを示す良い場面だ。

「鑑定が残っているから」との理由で、真野が結局飲み会に参加しないというオチも良かった。相楽はその場にいない真野への軽口をたたきながら、彼のために空けていた席に目をやって優しくほほえんだ。どうやら、本来の業務を逸脱してでも徹底的に真相を究明しようとする真野のやり方を少し認めたということなのだろう。典型的な「雨降って地固まる」パターンである。だからといって急にベタベタ仲良くなるわけではないという絶妙な距離感を保たせたところも評価したい。

 第4話にしてようやく「この路線ならそこそこイケるかも」と思わせてくれたが、不安要素もある。お笑い芸人・千原ジュニアの存在である。ジュニアは、真野が子供時代に巻き込まれた事件に深くかかわっているらしい刑事部長・壇浩輝を演じているのだが、どう見ても千原ジュニア本人でしかなく、完全にドラマから浮いている。顔も雰囲気もサイコパスそのもので、「こんなのが刑事部長になれるわけないだろ」とツッコミを入れずにはいられない。数少ない台詞も棒読みで、なかなかキツイ。今後出番が増えてくるものと思われるが、すっかりおとなしくなった船越英一郎に代わって、視聴者のヘイトを集める存在になりそうだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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