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『後妻業』木村佳乃が大竹しのぶと比較され“公開処刑”状態…「コントみたいな演技」と酷評続出

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 木村佳乃主演の連続テレビドラマ『後妻業』(フジテレビ系)の第1話が22日に放送され、平均視聴率は8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

「後妻業」とは、遺産相続目当てで資産家の老人の後妻に収まり、次々と大金をせしめる詐欺のこと。木村は、天才的な手管で男をたぶらかす後妻業の女・武内小夜子を演じる。ターゲットを小夜子に紹介する結婚相談所経営者・柏木亨を高橋克典が、小夜子に狙われた資産家の娘・中瀬朋美を木村多江が演じる。

 このドラマの原作『後妻業』(黒川博行/文藝春秋)は、『後妻業の女』と題して2016年に映画化された。映画では大竹しのぶが小夜子を演じたが、罪悪感を一切持たず次々と老人をだまして死に追いやり、大金をせしめて無邪気に喜ぶサイコパスぶりが大いに話題となった。ドラマファンの間でもこの映画の印象が強く残っている人が多いようで、放送前から「木村佳乃では力不足」「木村佳乃では大竹しのぶに到底及ばない」「映画はおもしろかったけれどドラマ化には不安しかない」といった声がささやかれていた。

 ドラマ第1話の放送が始まってすぐに、それらの予想が的中した。木村佳乃は演技が軽い上に大げさで話にならないし、関西弁も明らかに違和感がある。ネットユーザーからも「なんであんなコントみたいな演技しかできないの?」「木村佳乃相変わらず演技ダメだな」「関西弁へたくそすぎ」「関東人が聞いてもなんか違う」「聞いててイライラする」など、酷評が相次いだ。演技に定評がある木村多江が小夜子役ならよかったのに、といった声も少なくなかった。

 ドラマ全体のテイストをコントチックに寄せた脚本・演出に対しても批判の声が上がった。映画版はことさら笑いを取りに行くのではなく、悪人の所業を描き切ることでおかしみを演出するブラックコメディーになっていた。大竹しのぶの怪演があったからこそ、それで成立したといえよう。

 ところが今回のドラマは、小夜子を演じる木村佳乃に二度も舌を出した変顔をさせるなど、「どうぞここで笑ってください」といわんばかりのベタなシーンをわざわざつくっていたのだ。ここに、制作側の「逃げ」の姿勢が見える。木村佳乃に悪女を演じきるだけの演技力がないことを見越して、「このドラマは(本格的なブラックコメディーではなく)ただのコメディーですよ」と予防線を張ったのであろう。

 その路線で進むなら、もっと覚悟を決めてほしい。ツッコミどころ満載のトンデモ脚本をベテラン俳優が大まじめに演じた前クールの『黄昏流星群』(フジテレビ系)のように、視聴率は取れなくても話題を集めるドラマになれる可能性はある。というより、はっきり言ってこのドラマには、「そんなわけないだろ」「あり得なさすぎる」などとツッコミを入れながら笑ってもらう「ネタドラマ」路線しか生きる道はないと思う。今回の変顔のようにわざとらしく笑いどころを入れ込むのではなく、あくまでも「登場人物がまじめにやっていることが笑える」という脚本・演出をお願いしたい。

“薄幸女優”のイメージが強い木村多江が結構イケイケな感じの役だったり、エンディングで流れる主題歌「冬の花」(宮本浩次)が昭和のムード歌謡的だったりと、視聴者に「なんだこれ?」と興味を持たせる要素は散りばめられている。今後の展開次第では、良質なネタドラマになる可能性も十分あるので、大いに期待したいところだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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