「自分だけはまだ若い」が一番嫌われる!
田中氏は、「嫌われる40男の特徴のひとつに、『自分だけは特別に若い』という勘違いがある」と語る。
「自分自身が持つイメージと現実の自分の間にギャップがあるにもかかわらず、それを理解せず、自分の中のイメージに基づいて生きている。そうすると、他人に迷惑をかける上、自分自身も、なぜ人生がうまくいかないのかがわからずに苦労することになります。
例えば、女性の新入社員に対して『いくつに見える?』と聞くようになったら、終わりだと思いますね。私が教えている女子学生には、40男にアルバイト先でこのような質問を受けた場合、『年相応だよ!』と声を荒らげて返すように指導しています。勘違いさせてセクハラの被害に遭ったら大変ですし、お互い不幸になりますから」(同)
なんとも辛辣だが、同書からは、まるで「40男は、女性に対して恋愛感情を持ってはいけない」といったニュアンスさえ感じられる。しかし、田中氏は40男の恋愛感情を否定しているわけではない。「もう大人なのだから、性的な視点のみで女性を評価する習慣から抜けましょう」(同)というのが真意だ。
「独身で結婚願望がある場合、40男の方たちには、『他人からどう見えるか』ではなく、『自分がどう思うか』を基準にパートナー探しをしてもらいたいと思います。厳しいことを言えば、若い女性に性的な関心を持っても、向こうはその気はまったくないですし、セクハラにつながる危険があるだけ。それを自覚するべきです。
アイドルの低年齢化に伴い、40男を含む一部の中高年男性の中には18歳未満の女の子を性的な目で見る人たちもいますが、それは犯罪的だと思います」(同)
もはやまぎれもないオジサンであるにもかかわらず、「自分だけはまだ若い」と思い込む40男たち。田中氏は、それが勘違いであるということを自覚してもらうために、あえて強い言葉を投げかけているのだという。切ない話だが、これは同時に「自分だけは違う」と勘違いしている40男が、それだけ多いということでもある。
中年になって真面目な話ができないほうが恥ずかしい
とはいえ、同じ中高年でも、40男は50代男性に比べると、まだデリカシーがあるようにも思える。しかし、「50代に比べれば、自分はまだまし」と安心しても、問題はなんら解決しない。
「先ほども言いましたが、50代は新しい価値観を受容しなくてもギリギリ逃げ切れる世代です。確かに、40男は上の世代と比べると柔軟な価値観を持ち、デリカシーを備えています。変われる可能性があるからこそ、厳しい言葉を並べて、自省を促しているのです」(同)