がん医療が飛躍的に進歩でも、年々がん死亡者増加という不都合な真実…がんの定説が間違っている疑い
しかし、万が一NK細胞ががん細胞の元を見逃してしまうと、それが分裂をくり返すことになるのです。
正常な細胞であれば、分裂を数十回ほど繰り返すと死滅(アポトーシス)し、新しい細胞に入れ替わります。しかし、イレギュラーであるがん細胞の元は、死滅することなく分裂を繰り返し、増え続けていくのです。
ひとつだったがん細胞の元が2つになり、4つ、8つ……と増殖を繰り返し、その数を増やし続けていくと、やがてがんとして認識されます。
がん細胞の元が増殖を始め、それが大きくなりがんと呼ばれるようになるまでには、およそ10年かかるといわれています。これは、がん細胞が1センチ(細胞数10億個)になるまでの期間は約10年と考えられるからです。
つまり、60歳でがんと診断された人は、少なくとも50歳くらいの頃から、がん細胞の元が成長し始めていたのかもしれません。
現代の西洋医学では、がんは無限に増殖するとされています。これは近代医学の祖といわれるドイツ人医師のルードルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョウ(1821~1902)の「がん細胞増殖説」に基づくものです。ウィルヒョウは、「がん細胞は、ひとたび発生すると無限に増殖を続ける」と主張しました。
しかし、その説に沿うと、納得できない面があります。がんは、1回分裂すると2個になり、2回分裂すると4個……、40回で 1兆個に達します。この計算でいくと、46回目の分裂で64兆個となり人間の細胞の数とされる60兆個を超してしまいます。
ウィルヒョウの理論では、「正常な細胞の多くは、分裂を数十回くり返すと、それ以上の分裂能力を失うか、細胞がアポトーシスするように設計されている。しかし、DNAに異常のあるがん細胞は、アポトーシスすることなく分裂を続ける。そして分裂・増殖を繰り返し、ついには宿主(患者)を死に至らしめる」とされています。
しかし、これは150年も前の時代の理論です。私たちの体内には、毎日5000個ともいわれるがん細胞の元が発生しています。ウィルヒョウの説が正しければ、人類はとっくに滅亡しているはずです。毎日がん細胞ができているのに人類が100万年以上も生き延びているのは、NK細胞をはじめとする身体の免疫システムが、がん細胞の増殖を抑えてくれているからです。