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教師が児童に猥褻…性犯罪大国・日本 犯罪者の情報を住民に告知、ホルモン治療強制の国も

文=吉澤恵理/薬剤師
教師が児童に猥褻…性犯罪大国・日本 犯罪者の情報を住民に告知、ホルモン治療強制の国もの画像1「Thinkstock」より

 社会的地位も責任もある大人が性犯罪で逮捕されるニュースが後を絶ちません。そのようなニュースを聞いた皆様は、どう捉えているでしょうか。

「ダメな奴だ」「なぜ自分をコントロールできないのか」「ほかにストレスの解消法はないのか」などと感じるのが一般的かと思いますが、特異な性的嗜好を持つ人は、そういった正常なスタンスでの思考が持てず、性的嗜好を満たすために犯罪を起こしてしまうのです。

 最近のニュースだけを見ても、小学校教諭がキャンプ中に児童へ猥褻な行為をして逮捕される事件がありました。本来、教育を施すべき教育者が児童に対して猥褻な行為をするなど許されることではありません。また、事件などを報道する記者が強姦致傷の疑いで逮捕されたことも驚くばかりです。同様の事件が後を絶ちませんが、そのような事件を防ぐには、事件が起きる前にそのような性犯罪者予備軍へのケアが必要です。

性的倒錯は精神疾患

 特異な性的嗜好はパラフィリア障害群(性的倒錯)と呼ばれ、英語のpara(偏倚)、philos(愛)からできた言葉で、人間の性的行動において、対象や目的について偏りがあり、その偏りが一般的でないことをいいます。性的嗜好と混同されやすいものに性的指向がありますが、性的指向は恋愛・性愛の対象の性別についての方向性を呼ぶもので、通常は性的嗜好と分けて考えられます。

 性的倒錯は、精神疾患のひとつとされています。性的倒錯のなかで具体的な病名をいくつか挙げてみると、露出障害、フェティシズム障害、窃触障害、小児性愛障害、性的マゾヒズム障害、性的サディズム障害、異性装障害、窃視障害などがあります。冒頭で触れた児童ポルノ禁止法違反の事件は、まさに小児性愛障害に当てはまります。強姦犯についても、なんらかの精神疾患を伴うケースがあることは否定できません。性的倒錯が精神疾患であるととらえれば、医療によるケアや治療が必要なことはいうまでもありません。

 性犯罪をなくすためには性犯罪予備軍へのケアが必要ですが、日本の性犯罪対策は欧米に比べ非常に遅れています。アメリカのミーガン法はよく知られていますが、その内容は、性犯罪者による再犯防止の目的で制定された法律です。州によって多少の違いはありますが、刑務所からの出所時、住所、その他の個人情報を周辺の住民へ告知されます。また、州によっては、性犯罪者にホルモン療法を強制するなどの厳しい内容となっています。

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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