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二次がんに関する研究は十分ではない
たとえば治療への応答性が悪いこと、一度がんの治療を受けているために受けられる治療の種類や用量が制限されること、治療に耐えるための体力の低下などが考えられるという。
また、研究グループは「若い人は必要な支援や資金を十分に得られない」と指摘。「適切な保険に加入していない場合や、医療制度をうまく利用できない場合もある」と説明する。
研究著者である米カリフォルニア大学デイビス総合がんセンターのTheresa Keegan氏は、「がん生存者では二次がんの発症率が高いことはよく知られているが、その転帰(病気治療による経過や結果)や年齢による違いはあまり知られていなかった」と述べている。今回の研究は、初めてそれらを大規模に調査したものだ。
日本こそデータ収集と医療支援の体制づくりを
日本では、大人のがんに比べれば患者数は少ないものの、毎年、約2500人の子どもが新たに小児がんを発症し、現在は1万6000人近い子どもが小児がんと闘っている。また、若年者の乳がん患者も、年を追うごとに増え続けている。
若いうちにがんになると、就学先や就職先の無理解、相談・支援体制が整備されてないために、困難に直面する場合がある。また、一度がんになると、医療保険の掛け金が高額になり、加入もむずかしい。
さらに二次がんが発生した場合、小児がんの時には受けられた国からの医療費支援も、20歳を過ぎると受けられなくなる。
若年者の二次がんには、中高年とは違った側面の困難がある――。しかし現在の日本では、発生率や年次推移等のデータがほとんどないのが現状だ。
急激な勢いでがんサバイバーが増え続けているわが国こそ、治癒率の向上のために、二次がんに関する詳細なデータ収集と医療支援の体制づくりが急がれるべきだろう。
(文=ヘルスプレス編集部)
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