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“イタリアにはない記念日” 11月20日「ピザの日」、なぜ凸版印刷が申請したのか?

文=編集部
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「Getty Images」より

 11月20日は「ピザの日」だ。イタリアのマルゲリータ・マリーア・テレーザ・ジョヴァンナ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァ王妃(1851年11月20日生-1926年1月4日没)の誕生日に由来するという。マルゲリータ王妃は、トマトとモッツァレラチーズ、バジルをあしらった「マルゲリータピザ」の由来にもなった人物だ。だが、11月20日が「ピザの日」なのはあくまで日本のローカルルールであり、イタリアにはないという。しかも、この日を最初に記念日にしようと提案したのは、印刷大手の凸版印刷だったというのだ。

「ピザの日」は一般社団法人日本記念日協会に認定された記念日のひとつだ。ちなみにアメリカには「ナショナル(ワールド)・ピッツア・デイ」(2月9日)という記念日があるという。まず記念日認定の経緯は複雑だ。まず凸版印刷が1995年、同協会に11月20日を日伊友好親善とイタリア文化振興のための記念日にしようと申請し、認定された。その後、2013年に国内のピザ製造者などでつくるピザ協会が同協会に記念日申請し、再認定されて今日に至っているのだという。

 そもそも、在日イタリア大使館でも、国内の有名イタリア料理店でもなく、なぜ凸版印刷が最初に申請したのだろう。同社広報担当者に話を聞いたところ、次のような回答があった。

「記録が残っているわけではなく、確かなことはわかりません。ただ当時、弊社のお得意様にピザをお作りになられている企業様がいて、パートナー企業として事業を一緒に盛り上げようということで日本記念日協会さんに申請したという話は聞きました。

 記念日の申請主体に特別な定めはなく、おおむね申請をすれば認定されるようです。ただ記念日認定を維持するためには定期的に協会さんにお金を払う仕組みになっています。そのため、現在はピサ協会さんが申請されたものが認定されているかたちになっています。これまでも『○○の日』として認定されて一時は有名になっても、ブームが過ぎ去り、その後フェードアウトして記念日でなくなってしまった例もあります」

 記念日にも世知辛い背景があるようだ。いずれにせよ、ピザは日本にとってなくてはならないメニューのひとつだ。新型コロナウイルス感染症が蔓延している情勢下で困窮するイタリア料理店も多い。今日はソーシャルディスタンスを保って食べに行ったり、テイクアウトを利用したりして、ピザを楽しんでみるのもいいかもしれない。

(文=編集部)

 

BusinessJournal編集部

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