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多賀秀行「旅行しよう。」

世界100カ国の絶景地で自ら「グーグルマップのピン」になった男の写真が奇跡

文=多賀秀行/フリー編集者、宿「ANCHOR SITE」オーナー
世界100カ国の絶景地で自ら「グーグルマップのピン」になった男の写真が奇跡の画像1(C)kozee

 偉人・有名人の墓参りを、旅先で必ず行う友人がいる。また別の友人は、世界遺産を訪れ、その周辺で売られているミニチュア世界遺産を必ず購入するという。思い起こせば、全国津々浦々の地名が書かれた「提灯(ちょうちん)」が壁に並んでいたお宅にお邪魔したこともあった。最近では神社や寺院で「御朱印」を集めるのがひとつの流行になっているともいう。これらに共通しているのは、同一のテーマや目的が旅にあるということだ。

 テーマのある旅。それを世界100カ国、3年にわたって続けたkozeeという旅人をご存じだろうか? 彼が掲げたテーマは「SASARU project 地球の刺さり方」。地球に刺さるというのは、自らがGoogleマップの目的地に現れる「赤いピン」になり、頭を地面に刺すようにして逆立ちするというもの。その姿を世界中で撮影し、SNSで発信し続けるという、本人曰く「誰もしたことのないバカバカしいことをやって、みんなも巻き込んでやろう!」というものだ。

世界100カ国の絶景地で自ら「グーグルマップのピン」になった男の写真が奇跡の画像2(C)kozee

 結論をいってしまえば、彼のその旅はGoogle Android のテレビCM「一生分の写真」に起用されるといった実績を残した。快挙を成し遂げたといってもいいだろう。加えて、世界中で撮影された写真と共に、各地での出来事が記された旅の記録も、書籍となって出版されている。

 書籍をめくってみると、アジアとオセアニア地域を皮切りに北米、中米、南米、カリブ海、そしてヨーロッパからアフリカへ。5大陸を股にかけ、絶景、秘境、有名観光地、世界遺産の街、そして海の中や氷山で撮影された幾多の写真が収められている。本人は「バカバカしいこと」と書いているが、頭だけで逆立ちできることだけでも驚きであるし、何より眺めているだけで、とても明るい気分にさせてくれるから不思議だ。きっと写真から溢れ出る、ポジティブな空気がそうさせるのだろう。

世界100カ国の絶景地で自ら「グーグルマップのピン」になった男の写真が奇跡の画像3(C)kozee

オンリーワンの旅、絶対におもしろい旅

 それにしても、そもそも彼はなぜそんなことをしようと思ったのか?

 それは、ダンスを通じてニューヨークに居を移したのが、一番のキッカケだった。世界でも有数の多民族都市であるこの街で多種多様な人々に出会ったことによって、「世界ってスゴイ! 超おもしろい! 生きているうちに、自分の足で世界中を旅して、自分の目で見られるものはすべて見てみたい」と思ったことが、旅へ出ることを決意させたという。

世界100カ国の絶景地で自ら「グーグルマップのピン」になった男の写真が奇跡の画像4(C)kozee

 そして、「自分にしかできないオンリーワンの旅、絶対におもしろい旅にしたい」という思いと共にGoogleマップで世界を眺めていたその時。目的地に刺さるピンを見て、ピン!ときた。そうして、旅に出た彼がアップし続けた写真が、多くの人の目を楽しませ、そして心に刺さるものになったのだ。

「世界中の奇祭を巡る旅」「世界中の海を潜る旅」「自転車で日本一周」「ヒッチハイクだけで移動する旅」「観光施設の半券を収集する旅」「感じたことを詩に残す旅」――。どんなものだっていいし、誰かを楽しませなくても、自己満足のテーマだっていい。長い人生、これから国内国外問わず、何度も旅行へ出かけるだろう。そんな時に、何かひとつでも共通のテーマを持って訪れてみてはいかがだろうか? そうした少しのスパイスを加えるだけでも、旅行がよりおもしろいものになるだろう。
(文=多賀秀行/フリー編集者、宿「ANCHOR SITE」オーナー) 

世界100カ国の絶景地で自ら「グーグルマップのピン」になった男の写真が奇跡の画像5(C)kozee

<書籍情報>
SASARU ~地球の刺さり方~
著:kozee/発行・発売:A-Works

多賀秀行/フリー編集者

多賀秀行/フリー編集者

1981年生まれ。東京都出身。一日一組限定の宿「ANCHOR SITE」を営みながら、海外旅行をメインとしたフリーランスの編集者として活動している。
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Twitter:@tagahideyuki

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