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坂口孝則「ダマされないための“儲けのカラクリ”」 第27回

女性の黒髪増は本当?20代は黒ロング多数だが、40代は大衆層とリッチ層で真逆?

文=坂口孝則/未来調達研究所取締役

 上記の雑誌を使用し、それぞれの表紙の女性6年分を調べてみた。「大衆向け」と「リッチ層向け」について異論はあろうけれど、さほど大きく間違ってもいないだろう。この女性雑誌の表紙のモデル「黒髪」比率について調べてみた。表紙を飾っている女性のトレンドは、そのまま読者のトレンドとした。

 1年は12カ月ある。そこで、表紙の女性の黒髪回数は0~12まで分布する。0は当然ながらその年度に1回も黒髪の女性が登場せず、12回ならば毎月モデルは黒髪だ。

 結果は、以下のとおりだった。

女性の黒髪増は本当?20代は黒ロング多数だが、40代は大衆層とリッチ層で真逆?の画像2

<20代女性向け女性誌表紙における黒髪女性登場数>
 ※以下、雑誌名の右横数値は、08年、09年、10年、11年、12年、13年の黒髪女性登場数
・大衆向け:「with」(講談社):3、6、5、7、7、10
・リッチ層向け:「25ans」(ハースト婦人画報社):10、8、12、11、11、12

 上記例でいえば、「with」では各年でそれぞれ3回(08年)、6回(09年)、5回(10年)、7回(11年)、7回(12年)、10回(13年)の黒髪女性が表紙に登場した。「25an」も同様の見方となる。たしかに、というか、多くのひとが肌感覚として思っているとおり(?)、20代の雑誌でいえば、大衆向け「with」もリッチ層向け「25ans」も、ともに黒髪比率は伸びていた。これは直感を裏付けるかたちだ(出版関係者は「大衆向け」「リッチ層向け」という表現を怒らぬようお願いしたい)。

 このまま30代も調べてみよう。すると、30代は違った結果になった。

<30代女性向け女性誌表紙における黒髪女性登場数>
・大衆向け:「LEE」(集英社):10、9、11、8、9、7
・リッチ層向け:「VERY」(光文社):11、11、11、8、9、7

 ご覧いただいてわかるとおり、大衆向け「LEE」では黒髪はやや下落傾向にある。リッチ層向け「VERY」でもやや下落傾向だ。少し下落傾向が見られるだけであるが、少なくとも上昇傾向は見られない。これは、やはり直感的には30代の黒髪回帰はさほどではないということか。

 次に残る40代だ。

<40代女性向け女性誌表紙における黒髪女性登場数>
・大衆向け:「STORY」(光文社):3、6、7、7、5、3
・リッチ層向け:「Precious」(小学館):11、12、12、12、12、12

 これによると、大衆向け「STORY」では、かつて盛り上がった黒髪志向は、ふたたび茶髪志向に戻っている。そのいっぽうでリッチ層向け「Precious」では、時代の波にかかわらず、ひたすら黒髪志向が続いている。ということで、女性全体に黒髪志向があるわけではないようだ。

●髪の長さも調べてみると

 ちなみに、参考までにおなじく表紙女性の髪の長さを調べてみた。以下には、表紙女性がロングヘアーだった数を示す。

<20代女性向け女性誌表紙におけるロングヘアー女性登場数>
・大衆向け:「with」(講談社):8、11、8、11、10、9
・リッチ層向け:「25ans」(ハースト婦人画報社):8、12、12、11、12、12

坂口孝則/未来調達研究所取締役

坂口孝則/未来調達研究所取締役

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。サプライチェーン分野の知識を使い、ものづくり領域の先端解説などを行う。
未来調達研究所

Twitter:@earthcream

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