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坂口孝則「ダマされないための“儲けのカラクリ”」 第27回

女性の黒髪増は本当?20代は黒ロング多数だが、40代は大衆層とリッチ層で真逆?

文=坂口孝則/未来調達研究所取締役

 20代は両誌ともにロングヘアー登場数が多い。30代はどうか。

<30代女性向け女性誌表紙におけるロングヘアー女性登場数>
・大衆向け:「LEE」(集英社):7、7、5、5、8、7
・リッチ層向け:「VERY」(光文社):12、12、11、12、11、9

 この結果から、大衆向けとした「LEE」はややロングヘアー登場数が低め、との感想をひねりだせなくもないレベルだ。リッチ層向けとした「VERY」では高水準を保っている。あえていうと、リッチ層向けは、常に大衆向けを上回っている、くらいか。

 では40代を見てみよう。

<40代女性向け女性誌表紙におけるロングヘアー女性登場数>
・大衆向け:「STORY」(光文社):0、0、7、0、0、0
・リッチ層向け:「Precious」(小学館):12、12、12、12、12、12

 40代ではなんとリッチ層向けとした「Precious」ではほぼすべてロングヘアーであり、逆に大衆向けとした「STORY」でロングヘアーは一時期を除けば見つけるのが難しい。

 ここでかなり危うい表現となるものの、女性像を2つにわけて記述しよう。

・大衆女性:20代は黒髪・ロングヘアー傾向、30代ではその傾向がやや薄まり、40代では茶髪・ショートカットとなる
・リッチ女性:20代は黒髪・ロングヘアー傾向、30代では黒髪傾向がやや薄まるがロングヘアー傾向は維持、40代では黒髪・ロングヘアーに回帰となる

 私は「危うい」と書いたが、じゅうぶんに差別的な表現だとお感じの方がいたら、あらかじめお詫びしたい。

 ところで、「これはメディアの考える女性像にすぎないのではないか。雑誌が考える幻想にすぎないのではないか」と反論があるだろう。しかし、それについてはひとまず「幻想が現実をつくることに注目すべきだろう」と再反論をしておこう。
(文=坂口孝則/購買・調達コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役)

坂口孝則/未来調達研究所取締役

坂口孝則/未来調達研究所取締役

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。サプライチェーン分野の知識を使い、ものづくり領域の先端解説などを行う。
未来調達研究所

Twitter:@earthcream

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