女性の黒髪増は本当?20代は黒ロング多数だが、40代は大衆層とリッチ層で真逆?
20代は両誌ともにロングヘアー登場数が多い。30代はどうか。
<30代女性向け女性誌表紙におけるロングヘアー女性登場数>
・大衆向け:「LEE」(集英社):7、7、5、5、8、7
・リッチ層向け:「VERY」(光文社):12、12、11、12、11、9
この結果から、大衆向けとした「LEE」はややロングヘアー登場数が低め、との感想をひねりだせなくもないレベルだ。リッチ層向けとした「VERY」では高水準を保っている。あえていうと、リッチ層向けは、常に大衆向けを上回っている、くらいか。
では40代を見てみよう。
<40代女性向け女性誌表紙におけるロングヘアー女性登場数>
・大衆向け:「STORY」(光文社):0、0、7、0、0、0
・リッチ層向け:「Precious」(小学館):12、12、12、12、12、12
40代ではなんとリッチ層向けとした「Precious」ではほぼすべてロングヘアーであり、逆に大衆向けとした「STORY」でロングヘアーは一時期を除けば見つけるのが難しい。
ここでかなり危うい表現となるものの、女性像を2つにわけて記述しよう。
・大衆女性:20代は黒髪・ロングヘアー傾向、30代ではその傾向がやや薄まり、40代では茶髪・ショートカットとなる
・リッチ女性:20代は黒髪・ロングヘアー傾向、30代では黒髪傾向がやや薄まるがロングヘアー傾向は維持、40代では黒髪・ロングヘアーに回帰となる
私は「危うい」と書いたが、じゅうぶんに差別的な表現だとお感じの方がいたら、あらかじめお詫びしたい。
ところで、「これはメディアの考える女性像にすぎないのではないか。雑誌が考える幻想にすぎないのではないか」と反論があるだろう。しかし、それについてはひとまず「幻想が現実をつくることに注目すべきだろう」と再反論をしておこう。
(文=坂口孝則/購買・調達コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役)