ソフトバンクの孝行息子!?　宮坂ヤフーが爆速経営で最高益更新！

「爆速経営についてきているのは、まだ先頭集団の社員だけ。時間はかかるが（爆速を）社内に浸透させる」と宮坂社長。「以前のヤフーは社員5000人が乗る大きな船だったが、今は100～150隻の船の集団。同じ方向を向くよう、カジを取るのが私（＝宮坂）の役目だ」と役割を自覚している。

●米ヤフーが保有するヤフー株式の譲渡問題

　ソフトバンクとヤフーの最大の懸案は、米ヤフーが保有するヤフー株式の譲渡問題である。米ヤフーはグーグルなどに押されて苦戦が続いており、優良資産の売却を進め、経営再建中だ。

　ヤフー株式の34.74％を保有する米ヤフーは、持ち株をソフトバンクに譲渡する方向で協議を進めてきた。だが、米ヤフーのCEOの交代などにより交渉は中断した。そうこうするうちに、ソフトバンクが米スプリント・ネクステルの買収に乗り出したため、ヤフー株式の譲渡問題は棚上げになった。

　この間、米ヤフーは保有する中国の電子商取引大手アリババ・グループの株式の半分、43億ドル（約5900億円＝当時の為替レートに基づく）をアリババ社に売却した。米スプリントの買収に決着がつけば、ヤフー株式の売却問題が再浮上してくるのは確実だろう。

　現在、ヤフーの株価は1株4万円台。米ヤフーが保有しているヤフー株式の時価は1兆円を超える。米ヤフーがヤフー株式を持ち続けるのか。それともアリババのように、持ち株の半分だけを売却するのだろうか。

●ヤフー、パスワードも流出

　ヤフーのポータルサイト「ヤフー・ジャパン」が不正アクセスされ、同社は5月23日、148万6000件のユーザーのIDについて暗号化されたパスワードが流出した可能性があると発表した。

　サーバーへのアクセス履歴を調べた結果、パスワードの流出が判明したという。利用者のIDとメールアドレスのリストを誤送信するミスもあった。

「今回の事態を深刻に受け止め、会社を挙げて再発防止策を速やかに実行する」とコメントした。しかし、今年4月にも不正アクセスされ、127万件のIDやパスワードが流出しかけたことがある。業界屈指とされるセキュリティに緩みはなかったのか。セキュリティ技術の一層の強化が急がれる。
（文＝編集部）