そこで、格安SIMが一つの選択肢になってくる。携帯電話キャリアの提供する3G/LTE通信に対して、利用できる容量や速度が低く抑えられているかわりに月額料金が1000円程度になるもので、初期にはデータ通信しかできないのが普通だったが、最近では音声通話もできるサービスが増えてきている。
格安SIMは、流通大手のイオンや家電量販店のビックカメラなどが自社ブランドで出しているほか、ビッグローブやNTTぷららなどのプロバイダもサービスを提供しているが、これらはすべてNTTドコモの回線を利用している。つまり、基本的にドコモかSIMフリーの携帯端末でしか利用できなかった。
ソフトバンクモバイルにはSIMフリー端末があったが、これまでKDDI(au)は完全に蚊帳の外だった。ところが、6月にau回線を利用できる格安SIM「mineo」が登場したことで状況が変わってきた。
●ライトユーザーであれば、乗り換えたほうがよい?
mineoは、ケイ・オプティコムが提供するサービスで、「マイネオ」と読む。データ通信だけを行う「シングルタイプ」と、音声通話もできる「デュアルタイプ」の2プランが用意されている。
データ通信は月に1GBまで利用可能だ。具体的な利用例がmineoの公式サイトで公開されているが、スマホ版の「Yahoo! Japan」トップページを4000回表示でき、300文字程度のテキストメールなら20万通送信可能だという。これらは数字が大きすぎてわかりづらいが、現実感のある数字で表すと、5分の動画を100回閲覧可能となる。
つまり、ライトユーザーであれば、ほとんど不自由なく利用できるだろう。現在スマホを使用している人は、データ通信量を計測するアプリがあるので、普段の使用量を計測してみると、乗り換えを判断する材料になるだろう。
データ通信量が制限値を超えた場合には、通信速度を200kbpsに落として接続できる。逆に余った通信量がある場合は、翌月まで繰り越し可能だ。
音声通話については、今の番号をそのまま利用するMNPにも対応しており、音声通話対応プランではない場合も、050IP通話アプリを利用して通話することは可能だ。
ちなみに月額料金はそれぞれ税抜きで「シングルタイプ」が980円、「デュアルタイプ」が1590円だ。
対応機種はiPhone 5s/5c(アップル)をはじめ、au 4G LTE機種の多くがラインアップされている。これらの機種が手元にあれば、そのまま利用することは可能だ。スマホを購入するところからスタートするならばDIGNO M(京セラ)とのセット販売も行われているから、これを利用してもよいだろう。
ただしiPhone 5などのメジャー端末でも対応外のものはあるので、確認が必要だ。機種によって初期設定は必要となるが、対応端末ならば簡単に利用開始が可能だ。
また中古端末を活用するのもよいだろう。今までauのスマホは中古で購入しても活用しづらかったこともあり、比較的安価に購入できることも多いので狙い目かもしれない。
(文=エースラッシュ)