●新料金プランの特徴は「通話定額」と「データ通信量の選択肢」
ドコモが6月に「カケホーダイ&パケあえる」を導入したのをきっかけに、ソフトバンクモバイルが7月より「スマ放題」を開始するなど、急速に盛り上がりを見せるキャリア各社の新料金プラン導入。6月25日にはauが「カケホとデジラ」を8月13日より開始すると発表したことで、主要3キャリアの新料金プランが出揃うかたちとなった。
これら新料金プランの共通した特徴となっているのが、1つに音声通話のほぼ完全な定額制を導入したということ。各キャリアの料金プランとも、スマートフォン2700円、フィーチャーフォン2200円で、「104」などごく一部の番号を除いて、国内通話をする際には追加料金がかからないようになったのだ。従来、同じキャリア間同士の通話を定額にする仕組みは設けられていたものの、そうしたキャリアや固定・携帯といった壁を取り払って定額制を実現したことが大きな注目を集めている。
そしてもう1つが、パケット定額制サービスの変化だ。従来は各キャリア共に、スマートフォン向けのパケット定額制プランは、データ通信容量が上限7GBで、5000円台のものが1つ用意されているのみであった。一部異なるプランを設けるキャリアもあったが、実質的には1つのサービスしか選択の余地がなかったといえる。
だが新料金プランでは、パケット定額制サービスの上限量を、(容量はキャリアによって異なるが)6段階から選択できるようにするなど、多様な選択肢を設けている。さらにそのデータ通信容量を、家族間でシェアする(ドコモ、ソフトバンク)、家族間でギフトし合う(au)、もしくは余った容量を翌月に繰り越す(ソフトバンク)など、有効に活用する仕組みにも力が入れられているようだ。
各キャリア共に割引サービスや細かな仕組みで違いを出し、差別化を図っているが、音声通話が定額制に一本化され、逆にパケット定額制サービスは選択の幅が広がっているという点では共通している。ほぼ1つのプランしか選択できなかった従来の料金プランと比べ、ある程度選択の余地が生まれた半面、多様なニーズに応えるため、仕組みが複雑になってしまったのはデメリットといえるだろう。
●音声通話料を下げ止め、データ通信を実質従量制に
実はこうした新料金プランへの評価は、ほぼ二分されているといっていい。