現時点では、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手キャリアから端末を購入、SIMフリー端末と格安SIMを組み合わせて購入、またはBIGLOBEやイオンなどが提供する格安スマホを購入、という3つの選択肢を比較する記事をよく見かける。
ここで、さらに新たな選択肢としてfreebit mobile(以下、フリービット)を付け加えたい。内容としては特定端末と格安SIMの組み合わせなので、いわゆる格安スマホと同じようだが、その端末と価格が珍しいのだ。
●中間マージンをカットして格安実現
フリービットで販売されている端末は「PandA」の1モデルのみだ。OSはAndroid 4.2.2で、画面サイズは5.5インチ、背面800万画素、内側200万画素のカメラを搭載している。見た目や仕様においても、とりたてて珍しいものはない。ファブレットと呼ぶほど大きくはないが、「iPhone」と比較するとかなり大きいという印象だ。この「PandA」はフリービットの独自端末で、他のキャリアショップなどで入手することはできない。また、フリービットは仮想移動体通信事業者(MVNO)であるため、この独自端末と合わせてドコモの回線を再販売する仕組みだ。
独自端末にMVNOサービスを組み合わせ、さらに販売も合わせて行う。フリービットは製造者かつ販売者であり、中間マージンを省くことで「容量無制限のパケット使い放題+通話基本料」が月額1000円、端末代が2年割賦で月額1000円、計2000円で使える格安スマホを実現している。
初期費用として別途3000円必要だが、月額2000円は他のスマホに比べ極めて安い。もちろん、大手キャリアのスマホと同じように使えるというわけではない。
●ライトユーザーには問題なし?
まず、通話は基本的にIP電話だ。音質的にはIP電話にしてはよいということだが、普通の携帯電話と同等の音質を求めることはできないだろう。また今後、利用者が増えた場合に、品質が下がる可能性もある。従って、あまり通話をしない、または通話品質を重視しない人向け、と考えるべきだろう。
また通信速度は250~300kbpsとなっており、LTEはもとより3Gよりもずっと遅い。メールや静的なサイトの閲覧程度ならば困らないだろうが、動画鑑賞等は厳しいだろう。
とはいえ、スマホをライトに使う人には向いているかもしれない。例えば、アプリなどのコンテンツは自宅でWi-Fiに接続してダウンロードし、外出先ではダウンロード済みのデータを使うといった使い方をする限りは、特に支障のない仕様だろう。
オプションで、一定容量までの高速接続ができるチケットや一定金額分の通話料をセットにしたパック料金などもあり、自分の使用スタイルに合わせて変更することができる。基本的には、ネットで契約して端末を郵送してもらうことになっているが、実際に端末を確認して検討したいという人も多いだろう。
フリービットには「ATELIER」という名称の店舗があり、そこで端末に触れることができる。福岡・北九州市、福岡市、愛知・名古屋、の3カ所に加え、8月に東京・渋谷にも新店舗がオープンした。店舗ではサービス契約や端末の確認に加えて、オリジナルのスマホカバーをその場でつくってもらえるサービスなどもある。興味がある人は最寄りの店舗に行ってみるといいだろう。
(文=エースラッシュ)