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工藤貴宏「幸せになるためのクルマ選び」

今週24(水)、26(金)、東京で最大規模の交通規制…首都高入口が一部閉鎖、環七で通行制限

文=工藤貴宏/モータージャーナリスト
今週24(水)、26(金)、東京で最大規模の交通規制…首都高入口が一部閉鎖、環七で通行制限の画像1
首都高速道路の様子

 東京に住んでいる人、東京都心部で仕事をしている人は、7月24日と26日はクルマで移動しないほうがいいだろう。なぜなら、東京オリンピックのための大規模な交通規制が行われ、大規模な渋滞が必至だからだ。

 といっても、2020年ではない。東京オリンピックをちょうど1年後に控えた2019年夏の話だ。東京オリンピック本番に向けた実験として交通規制を行い、その効果を検証しようというのである。

 まず前提となるのは、東京オリンピック本番時の道路事情。選手や大会関係者のスムーズな移動のための専用レーン確保や交通規制が施され、一般車両の交通が規制されるので大混雑が見込まれている。規制されている場所周辺が混雑するのはもちろんのこと、ただでさえキャパシティオーバー気味の東京は、その規制が起爆剤となって都市部全体が交通パニックに陥る可能性がある。それを少しでも抑えるために、郊外から都心へ流入するクルマの数を減らす規制を行うというわけだ。

 この夏に行われる実験は、都心周辺の交通規制によって、どれだけ都心と会場周辺の交通量を減らせるかを見極めるものである。

どんな交通規制が行われるのか?

 今回の交通規制テストのメインといえるのが、都心への流入規制。まず、東京へ向かう高速道路から首都高速道路へ切り替わる料金所では、レーン数の削減などを実施。レーン数が絞られることで流れを悪くし、都心方面へ入っていくクルマを減らすというわけだ。

 また、首都高速道では4号線の「外苑」や10号線の「晴海」など会場や選手村近くの入り口を終日閉鎖。その上で、いくつかの料金所を交通状況に応じて閉じる予定だ。さらに、事故などで渋滞が発生した場合には、入り口閉鎖の追加、本線車線規制、区間通行止め、高速道路ジャンクションの方向別規制などを行う可能性もあるという。

 一般道に関しては、環七(環状七号線)を越えて都心へ向かう車両の通行制限を実施。その実施方法は、都心へ向かう道の青信号の時間を短くして「通過できる車両を減らす」というから徹底したものだ。

 実は、これほどまでの交通規制は東京にとっても初めての経験。おそらく、都心周辺の道路交通は大混雑するだろう。だから、この日の東京はクルマで移動するべきではないのである。

 ただ、郊外からの車両の流入が規制されることで都心部の交通は極めてスムーズになり、スイスイ移動が可能になるかもしれない(そうなれば実験は成功だ)。また、多くの人が大渋滞を恐れてクルマの利用を控えた結果、東京周辺の道がすべてスムーズになる可能性もなくはない。東京都は「実験で首都高速道路の交通量最大30%減」を目標に掲げている。

 この実験は19年7月24日と26日に行われるが、両日のテスト結果次第では8月23日にも行われる可能性がある。交通規制の詳細な内容は、警視庁のウェブサイト【※1】で確認できる。

東京五輪の本番時はさらに厳しい規制も

 実は、今回の実験も来年夏のオリンピック本番に比べれば、まだ甘いものだ。2020年の本番では、都心から成田空港や羽田空港、そして各競技会場へ向かう首都高速道路や高速道路にはオリンピック関係者専用レーンがつくられ、そのため一般車両が通行できる車線が減る見込みだ。ちょうど1年後の今頃、オリンピックの盛り上がりを傍目に東京の道路交通は大パニックに陥っていることだろう。それが2週間続く予定である。

 また、首都高速道路の交通量を減らすことを目的として、オリンピック開催中の昼間(6~22時)は個人車両の首都高速道路料金も高くなる見込み。今年6月には、東京都と政府の間で首都高速道路料金に1000円を上乗せする案について大筋が合意されているのだ。

 オリンピックは素晴らしい催しである。しかし、都心部でクルマを使っている人にとっては頭の痛いイベントとなることは間違いないだろう。クルマが使えなければ電車を使えばいい……と思いきや、オリンピックを見ようという観客が世界中から東京へ駆けつけるので、公共交通機関も壊滅的な混雑が必至である。電車が混むどころか、電車に乗れない、駅に入れないといった状況も十分に考えられる。

 テストも本番時も、可能であれば都心には近づかないのがベストだ。

(文=工藤貴宏/モータージャーナリスト)

【※1】
東京2020大会交通対策のテストのお知らせ」(警視庁)

工藤貴宏/モータージャーナリスト

工藤貴宏/モータージャーナリスト

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆中。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。
執筆媒体はモーターファン別冊新車速報シリーズ(使い勝手チェック及びバイヤーズガイド担当)、ガルヴィ(新車紹介記事担当)、カーグッズマガジン、RESPONSE、&GP、goo-net.com、gazoo.com、くるまのニュース、clicccarなど。国産車を中心に新車から中古車まで幅広く原稿を手掛ける。
本当はスポーツカーが好きだけど、ミニバンや軽自動車も得意。
現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.とマツダ・プレマシー。

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