猛暑が続く夏休みだった。あまりの暑さに、公園で遊ぶ子どもたちの姿も少なかった。その一方で、教師や元教師の困った“課外活動”が連日、ニュースとなっていた。
「教え子に自宅でわいせつ行為 男性教諭を逮捕」(7月25日=茨城県)
「男子生徒にわいせつ行為 女性教諭処分」(7月27日=滋賀県)
「教え子にわいせつ容疑 中学教諭を逮捕」(8月1日=東京都)
「生徒指導の元高校教諭“児童ポルノ”公開」(8月5日=北海道)
「元校長の男が援助交際もちかけたうえで暴行容疑で逮捕」(8月8日=福岡県)
不祥事・事件を引き起こしたのは、22歳の県立高校の男性教諭から65歳の元中学校校長(現・教育支援センター所長)までさまざま。「ダメだとわかっていても引かれあってしまった。申し訳ない」と反省している教諭もいれば、65歳の元校長は「声は掛けたが、手首はつかんでいない」と容疑を否認している。
懲戒免職となった滋賀県の女性教諭は、昨年6月から11月にかけ、5回にわたって路上に駐車した自分の車の中で男子生徒にキスをしたり、体を触るなどのわいせつ行為をしたとして、滋賀県青少年育成条例違反の疑いで書類送検されたが、起訴猶予処分となっていた。二人は交際していた。女性教諭は「自分の感情のまま冷静な判断ができず、許されないことをした」と話しているという。
その他の事件の真相は裁判を待つしかないが、“聖職者”の不祥事がこうも相次いでいるのが日本の教育現場の現状なのである。
わいせつ行為等での懲戒処分は年間210人
教師らによるこうした事案は、年間にどれぐらい発生しているのだろうか。
文部科学省の「平成29年度公立学校教職員の人事行政状況調査」によると、「わいせつ行為等により懲戒処分等を受けた者は210人で、28年度の226人から減少」となっている。直近3年間は、27年度が224人、28年度が226人、29年度が210人でほぼ横ばいだ。
もう少し詳しく見てみよう。
この調査は47都道府県と20政令指定都市の計67教育委員会を対象としたもので、在職者数は92万760人。わいせつ行為等による懲戒処分者の状況は、免職が120人、停職57人、減給9人、戒告1人、訓告等23人。処分を受けた教職員は、男性が206人(98.1%)、女性が4人(1.9%)。年代別では20代が70人と最多。30代48人、40代41人、50代以上51人。定年が近づいてきた50代以上でも結構いることがわかる。
学校別では小学校60人、中学校66人、高校69人で、それ以外は特別支援学校13人、中等教育学校2人となっている。
わいせつ行為等の相手は、「自校の生徒」が79人で全体の37.6%。「自校の児童」の18人(8.6%)を合わせると97人で全体の46.2%に達する。教え子など身近な子どもたちに手を出すケースが半数近いというのだから、あきれてしまう。そのほかで多いのは「18歳未満の者」35人、「自校の教職員」26人などだ。