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「動植物検疫や食品検疫の対象となる貨物について見ると、輸入手続きの平均所要時間は92.5時間です。それを48時間にするために、食品安全基準の規制緩和などを行って時間を短縮せざるを得ないわけで、輸入食品の安全性に重大な影響を与えることは明らかです。
また、TPPによってISDS(投資家と国家間の紛争解決)条項も導入されるため、TPP参加国を多国籍企業が訴えることが可能となります。これによって、例えばアメリカの多国籍企業が、日本が食品の安全性や国民の健康を確保するために行った措置に対して、『損害を被った』と訴訟を起こす可能性があります。日本政府がそれを恐れて、規制などに消極的になるということも十分に予想できるわけです」(同)
今後、TPPは各国の批准を経て発効という流れになる。日本が交渉に参加してから2年余りで大筋合意となったTPPだが、国益にかなうものになることを願うばかりだ。
(文=編集部)
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