かつてメディアでいくら叩かれようとも、その勢いが揺らぐことがなかった学会も、ネットの台頭によって、「外部から見て、自分たちがどう見られているか」という”世間の目”を意識すべく、変化を余儀なくされたといったところか。同氏は続ける。
「正直、今、学会内部では乙骨正生や、最近、学会批判の記事を発表する山田直樹といった人は、あまり相手にしていない。むしろ現役学会員で『内部アンチ』と呼ばれる学会内部に不満がある人への対応に重きを置いているのが現状。そうした人は先に述べたように、2ちゃんねる掲示板をはじめとするネット掲示板への投稿を行うことが多い。虚実入り乱れるネット世界なので、第三者から見て、その情報の真贋を見極めることは極めて困難だが、それでも見る人が見れば、明らかに内部の不満分子が、学会の内側の話を誇張して伝えているものも少なくない。これは対応にも限界があり、ほとほと困っている」(同)
では、この”書かれては困る内部のこと”とはいったい何か。
「たとえば選挙投票日に『幹部が家庭訪問して、もう投票は済まされましたか?』と尋ねてきたとか。これは公職選挙法違反ではない【編註:違法性の判断については、個別ケースによる】。でも、こうした書き込みを読んだ第三者には、何か学会が悪いことをしているような印象を与えてしまいかねない。訪問する側は、身内が身内を訪ねる感覚であっても、訪ねられたほうは『身内』と受け取らない人も少なくない。特に『内部アンチ』と呼ばれる人は、学会活動のさまざまな場面で、揚げ足を取ってくる。学会員とひと口にいっても積極的な活動家かそうでないかを見極めた対応が迫られている。難しい時代です」(同)
そうした活動の賛否はさておき、公称・827万世帯を誇る巨大宗教法人、いわば「宗教界のガリバー」であることは、誰もが認めるところ。しかし、公称・827万世帯であって「827万人」ではない。実際の活動者数は、「公明党への投票人数から計算すると220万人」(前出の学会員)ともいわれているが、公明党に投票している人がみんな熱心に活動している学会員というわけではない。別の学会員は「先行き、新規入会者が爆発的に増える公算もない。さりとて名簿上では会員でも、まったく活動していない者を囲い込もうにも、熱心に行うと曲解されてネットであれこれ書かれたりする。先が思いやられます」と嘆く。
いみじくも、いまや”大企業”にまで成長した学会は、これからさらなる成長を遂げるのか、はたまた緩やかに衰退への道を辿るのか。学会の”イメージ戦略の方針転換”が、ひとつの大きな鍵を握っている。
(文=編集部)