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中小企業、消費税を“ネコババ”し運転資金確保が常態化? 滞納額突出のワケ
実際、消費税率が3%から5%に上がった影響が最初に表れた97年度の消費税滞納の新規発生額は、前年度の3919億円から一気に4525億円に上昇。続く98年度は7249億円にハネ上がった。99年度以降は年々下がり、03年に5000億円を切ったが、消費税率アップの影響が出る14年度、15年度もまた、滞納の新規発生額が大幅に増える可能性がある。
消費税収入は現在約10兆円。現在の滞納額は、このうちの4.5%程度だ。消費税収は税率を1%上げると2兆円の増収になるというから、3%アップだと16兆円くらいになる。そのうちの4.5%が滞納するとすれば、滞納税額はまたもや7000億円台に逆戻りしてしまう。
回収を強化してネコババをやめさせるべきだというのが正論ではある。だが、滞納者は基本的に赤字の中小企業だ。なんとか資金繰りが回っているだけで、支払う余力があるわけではない。強制執行を試みるにしても、執行対象となる資産など土台持ち合わせてはいない。
他の税金に比べて消費税滞納の解消ペースが緩慢なのは、赤字でも納税義務が発生し、しかも滞納者には支払うだけの資力がないからだろう。
赤字に喘ぎ、結果消費税を滞納する中小企業に対して、税務署は回収を強化せよとはとてもじゃないが言えない。さりとてネコババには釈然としないものも残るのである。
(文=伊藤歩/金融ジャーナリスト)
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