安倍首相の事務所が、首相を賛美した本を爆買いしたのは問題ではなかったのか――。
11月、自民党の小田春人・岡山県議が2015~16年度の2年間に書籍約1200冊を政務活動費(政活費)で購入していたことが発覚し、そんな疑問を一部の人々に思い起こさせた。小田議員が購入した書籍には、『火花』『騎士団長殺し』などの小説や、『読書をお金に換える技術』などのビジネス本、『肩こりがスッキリ治る本』などの健康本も含まれていた。
一方、安倍首相の地元の政治団体「自民党山口県第4選挙区支部」が12~13年に大量に購入したと疑われているのは、『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎/小川榮太郎著)だ。13年1月24日、紀伊國屋書店新宿本店で『約束の日』2000冊を315万円で買っている。これは政治資金収支報告書に添付された領収書でわかる。
一方、安倍首相の東京の政治団体「晋和会」の12年の政治資金収支報告書では、例年になく書籍代が760万円を超えていることが確認できる。詳細は以下の通りだ。
H24/9/3 (株)紀伊國屋書店 472,500円
H24/9/3 (株)有隣堂 236,250円
H24/9/4 リブロ池袋本店 315,000円
H24/10/16 丸善書店(株) 1,417,500円
H24/11/9 (株)幻冬舎 1,944,654円
H24/11/9 (株)紀伊國屋書店 1,417,500円
H24/11/9 (株)有隣堂 189,000円
H24/11/9 丸善書店(株)日本橋店 220,500円
H24/11/9 丸善書店(株)丸の内本店 173,250円
H24/11/9 文教堂書店 315,000円
H24/11/17 リブロ池袋本店 283,500円
H24/11/30 (株)幻冬舎 126,000円
H24/12/6 (株)幻冬舎 491,400 円
名目は「書籍代」で、書名は記されていない。だが、11月9日の幻冬舎からの購入を除いて、他はすべて金額が『約束の日』の税込価格1575円で割り切れる。
購入したのは『約束の日』ではないのか。