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そもそも、安倍首相が国内外に向けて発信する「日本の規制基準は世界一厳しい」との発言は事実と異なる。ヨーロッパの基準は日本よりも格段に厳しい。例えば、二重の格納容器に加えて、メルトダウンで漏れ出る溶けた核燃料を冷却プールに流すコアキャッチャーは不可欠とされており、飛行機テロの防護コンクリートも二重構造。いずれも、国内の既存原発に後付けすれば莫大なコストがかかるため、日本では経済性を優先して安全性を二の次にしてきた。原発で安全性を優先し規制基準を厳しくすれば、経済合理性を失い「再稼働」などできなくなってしまうからである。稼働を停止すれば廃炉にするしかないが、古い原発を廃炉にすれば、原発は「資産」から「負債」に反転する。そうなれば電力会社は経営破綻してしまうため、古い原発を廃炉にすることを極力避けようとする。そのため、政府は規制基準をできるだけ緩くする。
規制委トップ自ら「甘い」と認める審査基準合格を根拠に、川内原発は再稼働に突き進む。
(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)
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