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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

老後の貯金、大きな差を生む「たった数%」の投資術……80歳でゼロの人、90歳で1千万の人

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

年「+20%」を目指す「小遣い稼ぎ」投資は、リスクが大きい

 たとえばあなたが「100万円の元手で、株式投資で年20万円儲けたい」と思ったとする。つまり年20%の利回りを狙うことになる。相場がよくて戦略が間違っていなければ、1年だけ、数年だけなら達成できるかもしれない。

 でも、知っておくべきは「リスク」だ。たとえば、自分が狙っていたのとは反対に値段が動いて損をしてしまう確率、割合。年20%のプラスを狙うということは、マイナス20%になるリスクをとるということでもある。特に、数週間以内、数カ月以内、1年以内という短期に儲けを出そうとすると損するリスクは大きい。

 上のような投資を、私は以前から「小遣い稼ぎ投資」と呼んでいる。

 この投資は、自分の将来とは直接関係のないお金で、元手が半分以下になっても大勢に影響はないというお金でやるべきだ。株式投資好きなプロ、セミプロの友人たちは、年10~20%以上の儲けを出すこともあれば、それ以上の損をする年もある。でも、投資そのものを楽しんでいるし、リスクについては十分知った上で投資をしている。

 小遣い稼ぎ投資は、投資が大好きで、投資のセミプロで、投資をするための資金(半分に減っても平気、ゼロになっても将来に影響がない)があり、投資のための時間も十分取れる人だけがやるべき。

 これからそれを目指す人は、まず10~30万円くらいの小口で投資を始め、1年で目標の利回りが達成できたら、金額を年々増やしていくという方法をとればいい。

年「+5%」を目指す「資産づくり」投資はリスクを小さくする手法で

 もうひとつは、さっきから言っている、10~30年以上という長期で、財産を目減りさせない、できればプラスにするためにする投資。「資産づくり」投資と私は呼んでいる。

 小遣い稼ぎ投資は、やりたい人は好きな人だけやればいいが、資産づくり投資は、すべての人がやるべき。お金が苦手な人も、投資が(今は)全然わからない、という人も。

 スマートフォンを操れないと生き延びられない時代になってきた。機械系が苦手な人も、おそるおそる手を出して、少しずつ慣れて、なんとか使いこなせるようになってきたはずだ。

 投資も同じで、得意とか苦手とか言っている場合じゃない。これをやらないと生き延びられない時代なのだ。おそるおそるでも手を出してみよう。そして少しずつ慣れれば、怖さも減って自分なりに投資と付き合うスタンスができてくる。

 目指す利回りは年平均5%くらい。私が勧めているのは、長期資金(10年以上使わない予定のお金)の半分は安全な預金に、半分を投資に、という割合だ。

老後の貯金、大きな差を生む「たった数%」の投資術……80歳でゼロの人、90歳で1千万の人の画像3

 では、具体的にはどうしたらいいか、というのは次回お伝えしたい。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

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中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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