自宅売却で税金が数百万円…かかる税金を安くするための要注意チェックリスト
このように構造によって同じ経過年数であっても、取得費の金額が異なります。そして、不動産売却時の譲渡所得(利益)は、「売却代金 - 取得費」で計算しますので、取得費が大きければ大きいほど、利益の額は減ることとなります。つまり、節税という観点からみると、(3)の取得費が一番大きく、(1)の取得費が一番小さくなるため、建物の構造が(3)→(2)→(1)の順番でお得ということになります。マイホームの購入金額が同じ値段であれば、木造よりも鉄筋鉄骨コンクリート造のほうが、節税できる可能性が高くなるということですね。
取得費に含まれるもの、含まれないもの
取得費には、土地・建物の購入代金のほか、建築費用や購入手数料、設備費用や改良費などが含まれます。これらの金額を漏れなく集計することで、取得費が大きくなって利益を圧縮することができるため節税につながります。
取得費に含まれるものとして、次のようなものがあげられます。
・購入時の仲介手数料
・購入時に納めた登録免許税、登記費用、不動産取得税や印紙税など
・土地の購入時に支払った測量費用
・土地の埋め立てや土盛り、地ならしのために支払った費用
・自宅に住むまでにかかった借入金の利息
・購入時に土地のうえにあった古い建物の解体費用
・リフォーム(増改築等)費用
なお、リフォーム(増改築等)費用は購入時だけでなく、購入したあとでかかった費用も取得費に加えることができます。ただし、単なる修繕費用は建物の価値を上げるとは考えられないため、税金ルール上は取得費に加えることができません。
これらの購入時の支出項目を漏れなく取得費とするためには、購入時に登録免許税や測量費用等の領収書や請求書等の書類を保管することが大切です。不動産の売買契約書と一緒に、購入時の書類は一式保管するようにしておきましょう。取得費が高ければ高いほど、譲渡所得の金額が小さくなるので節税することができます。
個人の場合、消費税はどうなるの?
個人がマイホームを売却しても、売却代金に消費税はかかりません。法人が不動産を売却する場合や、個人事業主がマイホーム以外の不動産を売却する場合には、原則として消費税が課税されます。仮に消費税がかかる納税者となる場合には、受け取った消費税(売却代金にかかる消費税等)と支払った消費税(建物購入代金や仲介手数料などにかかる消費税等)との差額を、国に納める、または、還付されることになります。
一般的な会社員がマイホームを売却する場合は、マイホームに関して消費税のことを考える必要はないでしょう。