(撮影:debun, cropped by Mori「Wikipedia」より)
・【ホンダF1参戦会見の詳報】(1)「レースに出場し勝つことで会社が成長」と伊東社長 ー SankeiBiz(5月16日)
F1参入発表時の記者会見の発言を抄録した本記事。
伊東孝紳社長は「ホンダはレースに参戦し勝利することで成長してきた企業」と位置づけ、F1を「厳しい競争の場で技術を磨き人材を育て」る場であると力説。さらに、コンビを組むマクラーレンCEOのマーティン・ウィットマーシュも登場し、アイルトン・セナやアラン・プロストらが築き上げたマクラーレン・ホンダの栄光の歴史を振り返りつつ「ホンダは世界の技術の巨匠」と賛辞を送った。
06~08年まで、ホンダ・レーシングとしてF1チームを運営していたものの、リーマンショックの余波で撤退を余儀なくされた同社。当時を振り返り「チャレンジとしては最高だったが、本当の実力という意味ではF1を車体もそうだし、チーム運営はもっと学ぶべきところは学びたい、というのが正直なところだった」(原文ママ)と反省を述べる伊東社長。09年には「経済的に回復してもF1に復帰することはない」と公言していたが、マクラーレンという最高のパートナーとともに、再びF1の世界に返り咲く。
・ホンダのF1復帰、エコカーとの意外な関係 ー 東洋経済オンライン(5月17日)
だが、F1に参入するためには数百億円といわれる莫大なコストがかかる。ホンダがこの投資を行うのは、上記のような夢やロマンに終わる話ではない。
14年シーズンから、F1のルールが改正され、エンジン排気量は2400ccからターボチャージャー付き1600ccへと大幅なサイズダウンが義務付けられた。少ない排気量をターボで補い、燃費改善を要求されるこのルール改正によって、F1エンジンの開発がハイブリッドエンジンをはじめとする環境技術革新へと直結することとなった。ホンダのF1復帰は、このルール改正をきっかけとする部分が大きい。
「インサイト」「フィット」などのハイブリッド車を投入し、トヨタと並んで世界的なハイブリッド技術を確立しているホンダ。新型F1エンジンの開発で技術に磨きをかけ、環境分野でライバルを一歩リードしたい考えだ。
・F1で環境エンジン磨く=新興国ターゲット-ホンダ ー 時事ドットコム(5月16日)
“宣伝広告費”としてのブランドイメージの向上にも、F1参入は効果的だ。
16年度の世界販売を12年度比5割増の600万台に伸ばす計画のホンダ。このうち300万台は中国、インド、東南アジアなどの新興国をターゲットとして狙っている。
しかし、新興国市場ではフォルクスワーゲンをはじめとする欧州勢が低価格の車種を投入しており、国内勢はライバルに一歩水をあけられている状況。これらの国でブランドイメージを形成するためには、中国やバーレーン、インドなどでもグランプリを行うF1グランプリが格好のプロモーションの舞台となるのだ。
16年に、インドで50万円の車を発売するとも噂されているホンダ。F1参入によって成長著しい新興国市場を取り込めるのであれば、年間数百億円の出費も痛くないというのが本音だろう。
・今期純利益大幅増も市場予想下回る-研究開発費拡大 ー Bloomberg(4月26日)
アベノミクスがもたらした好景気も、F1参入コストに対する資金的な余裕を与えている。
4月に発表したホンダの今期連結純利益は、販売拡大や円安効果などで前期比58%増の5800億円の大幅増と予想。売上高で見れば、23%増の12兆円、営業利益は7800億円の見通し。販売台数においても443万台を計画している。為替前提は1ドル=95円というから、為替相場がこのまま円安に傾けば、これをさらに上回る業績をあげることも期待できるだろう。
ビジネスジャーナルでも既報の通り、自動車業界では軽自動車の売れ行きが好調。中でも、軽自動車に比重を置いたホンダの戦略は功を奏している。今季の同社国内販売台数のうち、48%が軽自動車となる見込みだ。
(構成=萩原雄太/かもめマシーン)