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石破茂もふぐ会食で撃沈…大物議員ほど“世間の空気がわからない”日本の政治家の大問題

文=井山良介/経済ライター
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自民党の石破茂元幹事長(写真:ロイター/アフロ)

「アホじゃないか」と、多くの国民が感じたことだろう。

 菅義偉首相と自民党総裁の椅子を争った石破茂元幹事長が、「緊急事態宣言が再発令された1月8日に、福岡・博多のふぐ料亭で国会議員や財界人ら9人と飲酒を伴う会食をしていた」という“文春砲”を食らった。

 政府は国民に不要不急の外出や会食の自粛を要請しており、同日には二階俊博幹事長が自民党議員に会食自粛を求める通達を出していた。石破元幹事長は「礼儀を失してはいけない、厚意を無にしてはいけないというのが勝ってしまった」と釈明したが、多くの人が「意識のズレ」を感じたのではないだろうか。

 12月には、菅首相が14日に東京都内のステーキ店で二階幹事長や福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長ら8人と会食したことが批判された。また、菅首相がこの会食について陳謝した翌日の17日には、橋本聖子五輪担当大臣が四谷の高級寿司店で6人での会食を行い、非難されている。

「政治家は国民の話を聞くのが仕事」という意見はもっともだが、それならオンラインで話を聞くことも可能なはずだ。企業に出勤者7割減を求めてテレワークを推奨しておきながら、自分たちは無関係と言わんばかりの振る舞いをしている。これでは国民の意識が緩むのも当然だ。あきれて物も言えない。

 ある国会議員が、匿名を条件に話してくれた。

「今のご時世、マスコミが政治家を狙い撃ちするのはもちろん、一般市民もスマホで撮影できたりしますよね。いわば『1億総監視社会』になっているのに、お偉方の議員ほど、そうした空気をわかっていません。実際、バレていないだけで、永田町に限らず、県議会や市議会でも会食をしている議員は少なくないです。私ですか? 絶対にしません。会食をするのは、ほとんどが票集めを意識している議員です。地味で目立たないけど、政策を実行するべく一所懸命に働いている議員は大勢います」

 利権がからむ話を記録が残るリモートでするわけにはいかない、ということだろうか。

鈴木宗男議員の激励会で驚きの事態

 こうした政治家の醜態が明らかになる前の11月26日。筆者は都内の某ホテルで開かれた「鈴木宗男を叱咤激励する会」に出席した。会には、発起人の松山千春氏をはじめ、二階幹事長や東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相、加藤勝信官房長官らが出席し、文字通り鈴木議員を叱咤激励していた。

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「鈴木宗男を叱咤激励する会」で鈴木議員を励ます二階幹事長

 このご時世なので食事などは行われず、200人弱の出席者同士も一定の距離が保たれていたが、驚いたのは出席者が会場を後にするときだ。筆者は「主催者が音頭を取って、少人数ずつ退場させるのでは」と想像していたが、そうしたアナウンスはなく、出席者が出口付近に密集した。

 出席者全員がマスクをしていたものの、当時は第3波の渦中であり、そもそも政治家がパーティーを開催すること自体が批判の対象になり得る時期だ。せめて密を避けるように誘導すべき、と感じずにはいられなかった。

 この1カ月前には、同じホテルの大広間で志帥会(二階派)のパーティーが行われている。知人のフェイスブックを見ると、7名の支持者に囲まれた平沢勝栄復興大臣が記念撮影をしており、全員がマスクをせず密の状態だ。

 政治家とは、庶民感覚を持てない職業のようである。

(文=井山良介/経済ライター)

井山良介/経済ライター

井山良介/経済ライター

1976年生まれ。経済をメインとするフリーライター。野球に関する書籍の編集もしており、プロ野球や高校野球に関する執筆も多い。

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