それでも、合格すれば結果オーライとなるが、やはり「本当に行きたかった学校ではない」という感情が残るはずだ。
今の時代、親や先生が言う通りに「いい学校に入って、真面目に勉強して、いい会社に就職」したからといって、幸せになれるとも限らないし、将来が約束されるわけでもない。
5月30日に著書『201冊目で私が一番伝えたかったこと』(ヴィレッジブックス)が発売される認知科学者の苫米地英人氏は、「自分が持っている能力や才能を開花させることを考えた時、親や先生は“ドリームキラー”でしかない」と語っている。
ドリームキラーとは、その名の通り「夢を殺す人」だ。人間は、自分の行動をすべて自由意志で行っていると考えがちだが、実はそうではない。自由意志で行動しているつもりでも、ほとんどの場合は子供の頃に親や先生に刷り込まれた「信念」という名の偏見に基づいて判断・選択をしているのだ。しかし、ドリームキラーに悪気はなく、むしろ相手のことを考えて親切心で言っている場合が多い。
セルフコーチングで無限の能力を引き出す
苫米地氏は、著書の中でコーチングの重要性についても説いている。コーチングの目的は、人生を心から豊かで幸せなものにすることだ。コーチングを行うことにより、それまでぼんやりとしか見えなかったゴールに到達するための方法に気づき、心から望む「未来の理想の自分」に近づくことができる。「まずはゴールを設定すること。それを達成する過程で、今まで見えなかった、さまざまなものが見えてくる」(苫米地氏)
夢や目標もなく漫然と過ごす人生より、ゴールに向かって邁進している人生のほうが圧倒的に楽しく、充足感に満ちあふれている。漠然としたものでもとっぴなものでもいいので、とにかくゴールを設定して最初の一歩を踏み出すことに意味があるのだ。
また、ゴールは「今の会社で社長になる」といった現状の延長ではなく、「ほかの会社の社長になる」など、現状の外側に設定するほうがいい。そうすることで、「それをやれるかどうか」ではなく「自分がそれを本当にやりたいかどうか」が見えてくるからだ。
脳は常に、インプットされた情報に勝手にフィルターをかけている。そして、その中から重要だと思われるものだけを認識している。「やれるか」よりも「やりたいか」を重視する思考になることで、ゴール到達に関係のない他者(ドリームキラー)の言葉は、道に落ちているゴミのように、まったく気にならなくなる。
『201冊目で私が一番伝えたかったこと』 201冊分に込められた究極の成功へのメソッドを厳選して紹介 「刷り込み脳」を脱出し「やりたいかどうか」で動くと、驚くほど成功に近づく! 「現状の外にゴールを設定する」「エフィカシーを常に高く保つ」「ドリームキラーや 権威の奴隷になっていないか?」「前頭前野の働きを利用して嫌な記憶を消す」「ゴール達成のためにブリーフシステムを書き換える」「I×V=R(ルー・タイスの方 程式)」「脳を自己発火させる」「時間感覚を変えて倍速脳を手に入れる」「騙すつも りのない人が一番人を騙す」「最終ゴールは自由意志の獲得」他