残業せずに査定で高評価を得るテクニック
しかしながら、現場の中間管理職レベルには、今でもたまに「残業が多い=やる気があってかわいい」といった化石的な考え方をする人が生き残っていたりします。そこで、運悪くそういう管理職や社風の職場にぶち当たってしまった時のために、残業しなくても査定で高評価を勝ち取れるポイントをまとめておきましょう。
1.極力、事前に担当業務の線引きをしておいてもらう
たいていの日本企業の職場では、業務の担当範囲があいまいで、仕事が終わっても上司や先輩がいる以上は退社しにくいという空気があるものです。こういう場合は、できるだけ自分の担当業務を事前に明確に与えてもらうようにお願いしましょう。その際、「早く帰りたいので、仕事があったら事前に言ってほしい」などと言ってしまうと角が立つので、「どんどん自分で進めたいので、やるべき業務を教えてください」というくらいの前向きなスタンスがオススメです。
どんなに古い人間でも、あらかじめ自分が指定した業務を終わらせた人に「帰るな」とは言いづらいものです。目標管理を行っているのなら、評価面談できっちり線引きしてもらうのも手でしょう。
逆に管理職にとっては、できるだけ多くの業務をきっちり事前に割り振るのが、部内の残業時間を抑制するうえで最も有効なポイントとなるはずです。
2.こまめに自分の成果を報告する
毎日とは言いませんが、一区切りついた段階で、管理職に業務の遂行状況や成果を報告するのもポイントです。面と向かって話すのが面倒なら、メールでも構いません。「ちゃんと担当分は完了したし、報告も上げている」というのは、イニシアチブを持って仕事をするうえでとても重要な武器となります。
3.質、量ともに文句を言わせない仕事をこなす
もちろん、上記2点のポイントを生かすためには、質、量ともに文句のつけようのない水準で仕事をこなしておく必要があります。よく介護や育児を理由とした短時間勤務者に対して、アンケート等で同僚から批判的な意見が上がってくることがあります。「勤務時間が短いのに査定成績が同じなのは納得がいかない」といった内容です。労使間でも、短時間勤務者に対する評価をどうするかについては、意見が分かれるところです。
ただし、そうした批判をまったく受けない人もいるのです。それは仕事の質、量ともに文句のつけようのないレベルでこなしている人です。時間というしがらみを離れて働きたいという人は、同様のレベルで仕事を仕上げる努力をすべきでしょう。
(文=城繁幸/人事コンサルタント)
※本稿は、城繁幸氏のメルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」から抜粋・編集したコンテンツです。
【筆者プロフィール】●城 繁幸:人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。
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