なんとなく体調がすぐれない。疲れが抜けない。目覚めがすっきりしない。
……など、漠然とした調子の悪さを抱える人に対してよくアドバイスされるのが、睡眠習慣や運動習慣といった「生活習慣の見直し」である。これらのどれもが見直すべきものなのは間違いない。しかし、もう一つ見直してほしいのが「口内環境」と「食事」である。
■口内環境の悪化がもたらす怖い全身病
『あらゆる不調をなくす毒消し食』(アチーブメント出版刊)の著者で草加ファミリー歯科矯正歯科クリニック院長の小垣佑一郎氏は、口内環境が健康に及ぼす影響について、こんな指摘をしている。
口内衛生環境が悪化してくると、増えた悪玉菌を多分に含んだ食物を胃に運ぶことになります。
弱った胃では消化・殺菌をすることができず、腸にまで口腔内の悪玉菌を送り込むことになります。(P113より引用)
そして腸にまで至った悪玉菌は腸内の細菌環境を見出し、免疫異常や全身炎症、自己免疫疾患などを引き起こす。そうなると免疫力自体が低下するため、口内衛生環境がさらに悪化するという負の連鎖が始まる、というのが小垣氏の考えだ。
口内環境は腸内環境とつながっている。口の健康は全身の健康に直結しているといっていいかもしれない。
■歯科医が教える口内環境を整える歯磨き法
では、どのように口内衛生環境を整えればいいかというと、やはり日々の歯磨きは欠かせない。ただ、毎日歯を磨く習慣があればOKかというと、そうでもない。正しい歯磨きをしているかどうかが問題だ。
小垣氏によると、口内環境を整える歯磨きは、
1.箸と同じようにブラシを持つ
2.毛先が倒れない力加減で、1面に対して2㎜小刻みに歯ブラシを動かす
3.歯の丸みに沿わすように横→斜め→上…と1面10往復。汚れを払うように歯ブラシを当てる
4.全歯の1/4程度まで磨いたらティッシュペーパーで歯ブラシの毛の間の汚れを落とす
というもの。また、口臭のケアのためには舌も磨くべきだとしている。
◇
ここでは口内環境の悪化が全身の健康に悪影響を及ぼすことと、口内環境の改善方法を紹介したが、小垣氏は口内環境だけでなく、腸内環境も同時に整えることで健康な体を作りやすくなるとし、歯科治療だけでなく食事指導にも取り組んでいる。本書では、氏の提唱する食事法や栄養摂取の方法についても詳しく紹介されている。
忙しい生活を送っていると、口内環境や食生活はおざなりになりがち。だからこそ、健康で長生きするために、いつまでも若々しくはつらつと過ごすために、意識したい部分だ。
(新刊JP編集部)