50代からの独立で失敗しないためにやるべきこと
終身雇用制度が機能していたのは、もう昔の話。かつての企業は新卒入社した社員を定年まで面倒を見るのが当たり前だったが、今では誰もが知る一流企業が「早期退職制度」を使って退職者を募ることも珍しくない。
早期退職のターゲットになるのが50歳以上の社員である。『会社を50代で辞めて勝つ! 「終わった人」にならないための45のルール』(集英社/高田敦史)は、企業がこの世代の社員に「できれば自分から辞めてほしい」と考えている現実を浮き彫りにしていく。
50歳まで勤めた会社から「不要」の烙印を押されるつらさは決して小さくないだろう。その扱いのまま会社にい続けるのか、悩む人もいるはずだ。
こうした人に向けて、定年まで会社にしがみつくのではなく、独立して新たな人生を踏み出す可能性を示す本連載。第3回は、独立した後のフリーランサーを待ち受ける落とし穴について見ていこう。
安易な起業は危険!
本書では、50歳前後のビジネスパーソンに向けて、会社の看板を背負って仕事をするのではなく、フリーランスとして仕事をする生き方を提示する一方、起業は推奨していない。自分の事務所を税法上の法人にするのは問題ないが、あくまでも個人として活動していくスタンスである。
20代であれば、リスクを取って起業し、自分の思い描いた事業をやってみるのも悪くない。しかし、50代には、万が一失敗したときにその失敗から学び、再チャレンジする時間は残されていない。これが、起業を推奨しない理由である。
大切な退職金をフイにしないためにも、あくまで小規模に、過度のリスクは取らず、これまでの会社員生活で培った経験を生かして仕事をしていくのが、本書が提示する「正解」である。
独立する前に、まず自分の「価値」を知ろう
大卒で入社したとしたら、50歳になる頃には30年近くの社会人経験を積んでいることになる。その間に身につけたスキルや知識は得難いものだが、会社から離れたときにどのくらいの価値を持つものかは未知数な部分が多いのが現実だ。よく調べもせずに独立してしまうと、フリーランスになったはいいが、まったく仕事を取れないか、ひどく安い報酬しかもらえないということになりかねない。
本書によると、自分の経験やスキルにどれくらいのニーズがあるかを探るには、人材紹介会社の面談を受けてみるのがいいという。それも、転職向けの人材紹介ではなく顧問派遣の会社が向いているそうだ。
こういった会社は年齢層が高く、経験と専門知識を持った人材の見極めに長けている。面談を受け、自分の人材価値を把握した上で独立を模索することが大切だ。
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著者の高田氏いわく、「8割の人は独立せずに会社に残ったほうがいい。しかし、1割か2割は独立して活躍できる人が必ずいる」。
今は長く勤めた会社を離れて独立することなど想像もできないかもしれないが、世の中にはフリーランスとしてイキイキと働き、会社員時代よりも多くのお金を稼いでいる人がたくさんいる。
そんな生き方に少しでも興味があるなら、本書は絶対におすすめだ。フリーランスとして生きるために今何をすべきか、そして何をすべきではないか、すべて書かれているからだ。
(文=編集部)
※本記事はPR記事です。