・自分の利益のために他人を利用することにためらいがない人
・自分の功績や手柄を誇張して話す人
・失敗を認めることができず、他人のせいにする人
こんな「こまった人」があなたの職場や学校、あるいは親戚付き合いの中にいるかもしれない。そして、こうした人に心当たりがある以上、彼らに嫌な思いをさせられたことがあるのではないか?
■肥大した自己愛を持つ人々
上に挙げたような特徴は「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴でもある。
『結局、自分のことしか考えない人たち: 自己愛人間への対応術』(サンディ・ホチキス著、江口泰子訳、草思社刊)では、彼らに悩まされている人に向けて、その特性と対処法を解説している。
他人を尊重できず、思いやることもできないのは、肥大した自己愛によるところが大きい。自己愛は誰にでもあるもので、それ自体は問題ではない。ただ、健全な形で自己愛をはぐくむことができなかった人は、周囲の人間を傷つけ、困らせる性質を持つことがある。
・恥を知らない……自分が恥の感情を感じずに済む独自の方法を持っている。それは恥の感情を自分の中で処理せず、外部に向けること。「僕の責任じゃないね」ということだ。
・歪曲して、幻想をつくり出す……どんなに恥の感情を遠ざけても、時には失敗することもあるし、屈辱的な体験もする。それでも恥の感情を感じないために、現実を歪曲してとらえる。
・傲慢な態度で見下す……肥大した自己愛を持ち続けるためには、比較対象を必要とする。つまり「俺の方が優れている」「私の方が重要な人間だ」と自尊心を満たすためだ。だから彼らは周囲の人を常に見下している。
・ねたみの対象をこき下ろす……自分の持っていないものを他人が持っている時、自己愛人間は自我の危機に陥る。そんな時、彼らは「あんなの大した奴じゃない」とこき下ろす。無意識に相手をおとしめて、自分の優位な立場を(自分の中で)回復させるためだ。
・特別扱いを求める……自己愛人間にとって「大事なのは自分の気持ちと欲求だけ」であり「何でも自分の思い通りになって当然」である。自分を曲げて相手を立てるという考えはない。自分の要求に応えられない人間には価値がないとすら考えている。
・他人を平気で利用する……相手の気持ちなど彼らにとってはどうでもいい。相手がどう思うか、自分の要求は相手にとっても利益があるか、といったことはお構いなしに、周囲を利己的に利用する。
・相手を自分の一部とみなす……本当の意味で自分と他者の区別がついていない。だからこそ、ためらいなく他人の日記を勝手に読んだり、衣類や持ち物を無断で拝借したり、アイデアを盗んだりする。
◇
彼らの肥大した自己愛は外から見える人格に反映され、相手を不快にさせたり、困らせたり、攻撃されたと感じたりさせる。そしてこうした人々は、会社や学校、地域コミュニティなど、どこにでもいるのだ。
彼らとどう付き合っていけばいいのか、あるいはどう付き合わずにすませるか。本書を読めば、それが自ずと明らかになる。自分や家族を守るために、役立ってくれるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。