今、特に転職活動はしていなくても、上記のような課題にぶち当たっている人は、まじめに転職を「考える」べきです。あえて「考える」と書いたのは、実際に転職するかどうかとは次元の違う話だからです。とりわけ、これからの時代に私たちが常に自分に問いかけるべき質問は、
「自分が24時間やっても楽しめることは何か?」
ということです。
現在は、日本人と同じぐらい優秀で、しかも嬉々として働くオフィスワーカーやサービスワーカーを、海外で日本人より遥かに安い人件費で雇える時代です。ひと昔前までは海外労働者といえば、製造業のライン従事者がメインでしたが、現在ではインド人技術者は言うに及ばず、近所のマクドナルドや居酒屋でも外国の方が働いています。「給料が高くてそこそこ働く日本人よりも、安い給料でもガッツがあってやる気満々の外国人に大きな仕事を任せたほうが、多少言葉がたどたどしくてもペイするはず」と考える経営者は、これからますます増えるでしょう。
こんな時代に、私たち日本人が経済的にも精神的にも満たされた生活を維持するには、どうすれば良いでしょうか?
その答えは、「長時間労働」です(笑)。
例えばあなたが管理職だったとして、「仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切って働く部下」と「24時間いつでも仕事の改善や将来ビジョンを考えている部下」、どちらに仕事を任せたいですか?
また、IBMのようにグローバル化が進んで海外とのやり取りが日常的に発生する会社では、ワーク・ライフ・インテグレーション(統合)といって、一日のうちに何度もオンとオフを切り替える働き方が推奨されています。(4月16日付日経新聞)
仕事とプライベートをはっきりと分けるのではなく、「まだら模様の状態で常に仕事のアウトプットを考え続ける」という働き方です。24時間世界中のどこかでビジネスが進んでいる状況を考えると、外資系企業でなくても、早晩そのような働き方が求められると考えなければいけません。
こういう流れを見ていると、やはり日本はまた長時間労働の時代に戻るのではないかと思います。あるいは、家に帰ってしばらくくつろいでまた働く、というような働き方です。
“長時間労働”時代を生き抜くために
お金や生活だけが目的の仕事では、これは結構ツラいです……。自分が働くことの意味を根本的に見直す作業を、組織で働く人それぞれが一日でも早く行うことが必要だと思います。
「自分が24時間やっても楽しめることは何か?」という問いに答えるための近道は、自分の過去を振り返ることです。特に、子供の頃や学生時代、また社会人になってから、好きだったこと、楽しかったことをじっくりと思い出してください。そして、「自分は何が本当に好きで、楽しかったのか?」をよく考えてほしいのです。