モノが売れない時代と言われているが、それでも毎年ヒット商品は生まれるし、売り上げを伸ばすお店も存在する。
たとえば、日本最大のインターネットショッピングモール「楽天市場」の出店数4万8000店のうち、1割にも満たないものの月商1000万円を超える店舗が存在するという。
■元楽天市場プロデューサーが明かす「売上」の正体
楽天市場のプロデューサーとして、4000万人分以上の購買データを分析し、モノを売るための企画を立ててきた大原昌人氏が、今すぐ使える売上倍増テクニックを紹介するのが、『4000万人の購買データからわかった! 売れない時代にすぐ売る技術』 (大原昌人著、サンマーク出版刊)だ。
売上が伸びないのは、「売上の正体」を把握していないからだ、と大原氏は述べる。大原氏のいう売上の正体とは「売上=訪問数×転換率×客単価」というものだ。
「転換率」とは、商品を見た訪問数のうち何人が買ってくれたという確率のこと。「訪問数」「転換率」「客単価」の3大要素のうち、「転換率」を上げることが、売上アップに繋がるという。これは、転換率が訪問数や客単価にくらべて上げやすいから、という理由。楽天でもこの数字を重視しているという。
ただし、転換率を上げるにしても、店に人が来なければ話にならない。訪問数を上げるために企業がよく活用するのが、メルマガやプッシュ通知。
メルマガを配信する場合も、配信時間によって、効果は大きく変わる。メルマガを送るのに最適な時間は「ランチどきの12時と帰宅時間の19時」。実際は、22時~23時くらいが、メルマガの開封率が最高になる。けれど、遅い時間に消費者にメルマガを送るのは非常識であり、企業イメージの低下を招いてしまう可能性がある。総合的に判断した結果が「12時と19時が最適」ということなのだ。
訪問数がアップしたら、次に転換率を上げるにはどうしたらいいのか。本書の中ではいくつかその技術を紹介しているが、その中のひとつが「キャッチコピー」だ。パワーワードとなるのは、以下の3種類。
1.時間・期間
「本日限定」「○時までタイムセール」という「今感」を出すことが重要。
2.数
「限定〇個」「先着30人」といった限定感を演出する。この2つを組み合わせて「先着30人、明日締め切り」とすると、相乗効果で転換率も上がる。
3.実利
「送料無料」「半額」「ポイント〇倍」など、消費者にとって嬉しいポイントは、必ず強調して書く。
この3種のワードは、ネットショップでもリアルな店舗でも有効だという。メルマガの配信時間を決めるにも、キャッチコピーを作るのも、データに基づいた分析など、ちゃんとした理由があるという。
メルマガの配信時間など、今すぐにできるテクニックが紹介されている本書。売り上げが伸びないと悩んでいたら、楽天市場でもやっている売り上げを伸ばすためのノウハウを参考にしてみてはどうだろう。
(T.N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。