ビジネスパーソンとして成功したい人は、5W2Hを押さえて仕事に取り組めているかを確かめてみましょう。あまりに基礎的なテーマと感じるかもしれませんが、仕事のできる人は5H2H―― What(何を)、Who(誰が)、When(いつ)、Why(なぜ)、Where(どこで)、How(どうやって)、How much(いくらで)――をじっくり考えて業務に当たっているものです。それに対して仕事ができない人は、これらが曖昧なまま仕事をしています。
できる人がリストすること
たとえば、今から商談があり、あなたが買い手の側だとしましょう。この商談が終わるときに知っておくべきことには何があるでしょうか。具体的にどんなものを(What)を買うことになり、それがいくら(How much)であり、どんなスケジュールで納品まで進んでいくのか(When)といったことでしょう。
このような「商談で見出すべきこと」は、商談がはじまる前に、その項目をノートにリストしておきます。「すでにわかっていること」もあるでしょうし、「落としどころ」を自分で決めておくべき事柄も、売り手の側に純粋に尋ねたい事柄もあるはずです。それらもすべてリストに書き加えた状態で商談に臨みます。
買い手だからといって、商談がはじまってから「ええっと、今日は何を伺えばよかったかな……」などと話し、相手に説明を促すようでは、かなり要領が悪いといわざるを得ません。
知りたいと思いリストしておいたことが、商談中にはっきりわからなかったということもあるでしょう。その場合には、商談が終了する時点で、それらの事柄をどうするのか――たとえば、相手から翌日までに連絡をもらうといったことを決定して、5W2Hに基づいて、現時点で「何がわかっていて、何がわかっていないか」を明確にしておきます。
こうしたことができるようになれば、後はどんなクオリティで5W2Hを押さえ、実行していくかに、こだわっていくことになります。このように仕事を進めていれば、商談時に相手がどのくらいのクオリティで5W2Hを明確にしている人かも、はっきりとわかるようになってきます。
自分の仕事を進めるときにも、ライフプランを練るときにも
自分自身の仕事を進めていくときも同じことです。たとえば新規顧客を増やしたいときに、あなたなら5W2Hをどのように描くでしょうか。曖昧にしかわからない場合には、それを具体的かつ明瞭に描いていくことが大事な仕事になります。簡単にできるとは限りません。むしろ5W2Hを押さえるのは難しいことも多いのです。
新規顧客の開拓を部下に指示するところを想像してみましょう。部下の人たちは実現性のある5W2Hを描けそうでしょうか。そうは思えない場合もあるかもしれません。あなたが部下であれば、上司からはこのように見られています。あなたが5W2Hを押さえられそうか、それを実践して成果を挙げられそうかと、常に評価されていることを意識しておくべきでしょう。
昇格試験の説明を聞いて準備をするとき、あるいは仕事以外のことで、たとえば実家の不動産の処分について誰かに相談するときなど、どんなときでも「何を、いつ」と5W2Hに沿ってまとめていく癖をつけましょう。5W2Hから必要な項目をノートにリストしておき、答えを書き込んでいくのです。
リストしたノートを持たなくてもよいのは、会社帰りに仲間と一杯飲みながら楽しんでいるときだけと考えましょう。5W2Hには、そのくらいこだわってもよいのです。事業を起こしたい人はもちろん、ライフプラン、目標達成の計画立案などに誰もが活用できます。
活用するときに意識したいこと
たとえば、あなたが自分の専門分野で本を出版したいと考えたとしましょう。どうすればそれを実現できるのか、「何を」「いつ」など、それぞれの項目についてじっくりと考えてみてください。「それにしても書くのはたいへんそう」といって、5W2Hに向き合わなければ、それで可能性はなくなってしまいます。書くのが苦手ならどんな方法があるのか、「どうやって」について考えることで、見出していくことができるのです。
自分で描く5W2Hは、実行できそうな内容にすることを忘れないようにしましょう。ある程度チャレンジングな内容になることはありますが、実現できそうにないことは避けておかないとムダになってしまうことを覚えておきましょう。
上手に活用して、着実に物事を進めることを目指しましょう。大事な仕事や人生の計画が「行き当たりばったり」や「成行きまかせ」とはならないように、今後更に5W2Hに対する意識を高め、クオリティを高めていきたいものです。