一流のアスリートたちに対して、私たちはついつい「別次元」という見方をしてしまう。しかし、人として「動いて・食べて・寝る」という行動は一般の人もアスリートも、変わりはない。
そう言うのは、フィギュアスケートの荒川静香選手、高橋大輔選手、スピードスケートの岡崎朋美選手、サッカーの長友佑都選手と言った一流アスリートたちを管理栄養士として栄養面からサポートしてきた石川三知氏だ。
ここぞという時に集中力を高めたい。疲れているときにこそ頑張りたい。大事なプレゼンは万全な体調で挑みたい。そう考えるのはどんな職業の人も同じだ。一流アスリートだけでなく、ビジネスパーソンにとっても、食事は大事なものなのだ。
そんな石川氏の著書『世界のピークパフォーマーが実践する脳を操る食事術』(SBクリエイティブ刊)は、多忙なビジネスパーソンでもできる疲れを取り除き、集中力や思考力を最大に上げる食事法を紹介した一冊だ。
■ついついしてしまう早食いはNG!?
一人で食事をするときや時間がないときのランチは、ついつい早食いになってしまう。しかし、健康のことを考えると、食事を急いで食べてもいいことはひとつもないと石川氏。食べ方だけで、からだに与える影響は変わってくることを指摘する。
食べ物は、口に入れて呑み込んだらそこで終わりではなく、口から食道を通って胃、胃から腸にと運ばれていく。小腸で吸収されてはじめて、からだの中に入ったことになる。食べ物をちゃんと消化し、含まれる栄養素を無駄なく取り込むためには、胃や腸がよく動き、消化酵素が十分に分泌されなければならない。
この消化酵素の分泌を自分の意志で促すことができるのが、口だ。噛めば噛むほど食べ物は細かくなって表面積が大きくなるので、それだけで消化酵素と混ざりやすくなる。しかも、噛むことによって消化吸収のスイッチが入り、消化酵素が出てくるのだ。
忙しさから食事を疎かにしてしまうことは多い。しかし、体は食べたものでできているという基本的なことは忘れないようにしたい。食事を変えれば、身体や脳の働きにも変化が起こる。
栄養のことを事細かに覚える必要はない。石川氏の食事術で大切なことはもっとシンプルだ。
「今の自分にはいったい何が足りないのか」
「だから、これを食べればいいんだ」
なりたい自分に合わせた食事こそがハイパフォーマンスを生むのだという。ダイエット、ストレス、コンディションといった悩みを食事で改善してみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。