「格差社会」ということがしきりに言われるように、私たちの所得には人によって大きなばらつきがある。
具体的にいえば、年収数百万円の人と数億円の人が一緒くたに暮らしているのが私たちの社会。こんな社会で、たとえば「年収300万円と年収3,000万円、どちらの人生がいいか」と聞かれたら、多くの人は後者だろう。
もちろん、ただ「もっと稼ぎたい」と願っているだけでは状況は変わらない。収入を変えたかったら、考え方も行動も変える必要がある。
『「30代で年収3000万」の人は、いつも何を話しているのか?お金も地位も引き寄せる「肉食系」のコミュニケーション術』(午堂登紀雄著、学研パブリッシング刊)によると、行動や考えがもっともよく表れるのは「言葉」だという。では、年収300万と年収3,000万の人の言葉はどうちがうのだろうか?
■ゴマもすれない人間は稼げない
会社にいながら年収を上げるには出世するしかない。
となると上司から高い評価を受けることは必須。言い方は悪いが、ゴマをすってでも「コイツは見どころがある」と思わせることができないようでは出世の芽はない。このことにいち早く気づくのが「年収3,000万円の人」だ。
これに対して「300万円止まりの人」はゴマすりに対してプライドが邪魔をしてしまう。「そこまでして稼ぎたくないよ」と考える人は、やはり稼げないのだ。
この考えの違いは、挨拶からして歴然だ。
朝出勤したら「おはようございます!」と元気な声で挨拶するのは誰もがやっていることだが、「年収3,000万円の人」はこれだけに終わらない。上司に対し「先週(あるいは昨日など)ご指導いただいた件、昨夜よく考えてみて、改めてその大切さがわかりました。今日また実践してみます!」と、自分が上司の指導を尊重していること、上司の指導が役立っていることを伝えるのだ。
上司に気に入られるために、多少わざとらしく見えても気にせずゴマをするという態度は、周りから嫌われるかもしれない。しかし、この姿勢は稼ぐための意思の強さだとも言えるのではないか。
■グチるな、むしろホメろ
「いま勤めている会社に不満がある」という人は多いもの。それだけに、同僚同士が会社の不満や愚痴を言っている場面に遭遇することも珍しくない。
しかし、前述のように、会社で出世するためには(そして収入を上げるためには)会社や上司から評価されないと道が開けないのは間違いない。
大勢で会社の愚痴を言っている人は、当然会社から評価されない。「年収3,000万円」を目指すなら、こういう愚痴っぽい同僚と群れるのは時間の無駄だ。どうせなら、多少無理をしてでも会社のいい点を挙げ、自分が会社を好きなことを表現する方が得というもの。これが「年収3,000万円」を実現する人の言葉であり、行動なのだ。
■困難なミッションが与えられた時、どんな言葉を使うか
上司から難しい仕事を与えられた時にどんな言葉を返すかには、その人の仕事への志と熱意が表れる。たとえばその仕事が内心無理だと思えた時、正直に「うーん、難しいと思いますよ」と返しても、上司は面と向かっては怒らない。しかし、内心で失望されるのは確かだ。
本書によると「年収3,000万円の人」は、こんな場面で「やってみます。たしかに難しいですが、だからこそやってみる価値があると思います」と答えるという。
上司が期待しているのは、仕事の出来以上に「チャレンジ精神」だということを、将来稼げるようになる人は知っている。そのうえで難しい仕事を「ステップアップのチャンス」と捉えて、何としても成功させるべく努力するのだ。
「年収300万円の人」と「年収3,000万円の人」の言葉の違いはこれだけではない。
この違いは、単に言葉遣いの問題ではなく、思考の違いであり、行動の違い。本書で取り上げられている言葉の中には非常識に思えるものもあるが、それだけ野心を持って、シビアな現実と戦ってこそ、お金持ちへの道は開けるというのは、やはり確固たる事実なのだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。