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いじめに悩む子どもたちのための「ミュージカル落語」を考案した異色の落語家とは

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※画像:『いじめられてしんどい君へ』(プレジデント社刊)

 いじめに悩む子どもたちに向けて、落語を通じていじめを受けている日常から逃れるヒントを伝えようと、小学校や中学校、高校、PTAの会合などで「いじめを撲滅する」という願いを込めて講演活動をしている落語家がいる。三遊亭究斗氏だ。


 小学生のときにいじめられた経験のある究斗氏。そんな彼がいじめに傷つき、悩んでいる子どもたちに伝えたい、いじめをチャンスに変える考え方と共に究斗氏自身の半生を綴ったのが『いじめられてしんどい君へ』(プレジデント社刊)だ。


 究斗氏は異色の落語家だ。1988年、劇団四季に入団し、在団10年間に多くのミュージカルに出演し、1997年、春風亭小朝氏に入門。落語家に転身した。


 落語家として修行を重ねながら、ミュージカルと落語の良さを組み合わせて、「いじめについて、一人でも多くの方に真剣に考えてほしい」という思いを込めて考案したのが「ミュージカル落語」だ。幼い頃に究斗氏自身が経験したいじめをテーマとする落語をミュージカル落語から派生させたエデュテイメントとして作り続けている。


「貧乏でいじめられている少年が、おじいさんに助けられる『一口弁当』」
「わが子の背中のアザからイメージをふくらませた、いじめに悩む子どもがさまざまな人に出会う『背中に輝く大きな星』」
「LINEでのいじめをテーマにした『凍らすLINE(コーラスライン)』」


 といったものがミュージカル落語だ。物語を通じて、感じてもらい、心が動くきっかけとなってほしい、と究斗氏は述べる。


 究斗氏は、いじめに対してどんな考えを持っているのか。


 人のことを悪く言うような人は、少なからずいる。だが、バカにされたからといって、そのことを気にしたり、落ち込んだりする必要はない。「悪口」は言った方が「負け」だからだ。こちらは相手に合わせて言い返すことはせず、マイナスな言葉は使わない。すると、少しずつ自分の身の回りにいいことが起こるようになる、と究斗氏は言う。


 ミュージカル落語は、やはり実際に聴いてみるのがいい。究斗氏のYouTubeチャンネル「サンキュートCHANNEL」にてミュージカル落語の動画を見ることができるので、本書と合わせて見てみるのもいいだろう。


 本書を通じ、ミュージカル落語から元気をもらってほしい。
(T・N/新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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