今は働いてお金が稼げていても、先々どうなるかわからないし、何より老後が心配だ。
元々投資に消極的だと言われてきた日本人だが、将来のお金への不安から投資や資産運用に関心を持つ人は増えている。
対して、公的補助が日本よりも乏しいアメリカ人は若いうちから当たり前のように投資をする人が多い。お笑いタレントとIT企業役員の二刀流で活躍する厚切りジェイソンさんもその一人。投資家として15年ほどで家族全員が一生安心して暮らせるほどの資産を築いたという。
15年で「一生暮らせる資産」を築いた厚切りジェイソンのマネーリテラシー
15年間で「家族全員が一生安心して暮らせる資産」とはかなりハイペースだが、それを実現した秘訣が明かされているのが『ジェイソン流お金の増やし方』(ぴあ刊)である。ジェイソンさんはここで自身の資産運用の方法を明かしているのだが、大事なのはそこだけではない。資産を増やせる人が持ち合わせる「お金への考え方」を植えつけてくれる。
あたりまえだが、どんなにお金を稼いでも手元に残らなければそれは資産とは言えない。だから、「必要なもの」と「不要なもの」をジャッジして、不要なものにはお金を使わないことや、古くからある「節約術」のようなものも、大切なマネーリテラシーである。
僕の投資法はたった3つのシンプルな手順。支出を減らして、残りのお金を投資に回して、待つ。それだけ!(P23より)
こうつづっているように、ジェイソンさんもかなりの節約家だ。どれくらいの資産を作ることができるかは、つまるところどれくらいのお金を投資に回すことができるか、つまり「投資額」にかかっている。
できる限り多くのお金を投資に回すために、ということでジェイソンさんの支出への考え方はシビア。新たに所得を生み出すよりも、支出を減らす方がはるかに費用対効果は高いとしている。家族の食費や教育費をものすごく削ることはないとしているが、何を買うにしても「それは本当に自分が欲しいものか」を考えて、余計な支出は一切しないという。
ジェイソンさんがかつて専業主婦だった母親に言われたという言葉がユニークだ。
「お父さんは外でお金を稼いでくる。お母さんは色んな商品を半額や割引にするクーポンを使って、お父さんのお給料を倍にしている」
支出を減らすことで、給料の価値は増える。余ったお金は投資に回せばいい。
普段何気なく買っているコーヒーや、そんなに使ってもいないのに毎月払い続けているサブスクリプションサービス、電話代や光熱費などの固定費。よくよく見回すと、「何となく惰性で払い続けているお金」は意外に多いもの。こういうものから見直していくことが資産形成への第一歩なのだ。
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ここではジェイソンさんの支出についての考え方に触れたが、肝心の投資手法についても丁寧に解説されている。多くの人にとって待ったなしの「投資」。いきなり手を出すのではなく、本書を通じてマネーリテラシーを身につけてから挑んでみてはいかがだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。