上がらない給料に心もとない年金。コロナ過のテレワークによって浮彫となった人員見直し。
日本人、とりわけサラリーマンの働き方やお金周りの事情は厳しくなるばかりとあって、副業の必要性を感じている人は増えている。
政府の働き方改革やコロナ禍におけるテレワークの普及、また差し迫った人件費削減などの理由で副業解禁をはじめる大手企業も多い。アサヒグループホールディングス、日産自動車、丸紅などの老舗企業から、ヤフー、ソフトバンクのIT企業までここ数年でその傾向に拍車がかかる。
副業には様々な選択があるが、忙しいサラリーマンからは投資分野に注目が集まっている。株式投資や外為取引、投資信託、最近ではNISAやiDeCoなどさまざまな投資があるなかで、昔から根強い人気があるのが不動産投資である。
ただ、ローンがあるとはいえまとまったお金が必要な不動産投資は、「そこそこの小金持ちがやるもの」というイメージも強い。さして収入が多くない普通の勤め人が不動産投資を始めるには、どこに目をつければいいのか?
普通のサラリーマンが不動産投資をするための「目のつけどころ」
『“5万円”購入ではじめる「副業」不動産投資』(脇田雄太/著、ごま書房新社/刊)は、その答えとして一つの方向性を示す。それは「中古の戸建て」である。
ボロ戸建て投資とは、その名の通り、ボロボロの中古戸建てを主に地価の低い地方部において“超”が付くほどの低価格で取得し、物件ごとに必要なレベルのリフォームを行った上で、入居者付けを行う不動産投資の手法です。(『“5万円”購入ではじめる「副業」不動産投資』P44より)
著者の脇田雄太氏によると、ボロ戸建ての最大の魅力は「高利回り物件を無借金で購入して利益をあげられる」こと。
不動産投資というと、都心のワンルームマンションや郊外のアパート一棟を購入し、ローンを返済しながら家賃収入を得るという方法を想像しがちだが、物件に借り手がつかなくてもローン返済は発生するため、「普通の会社員」の経済状況では「借金が返せなくなる」というリスクがつきまとうことになる。
ボロ戸建てはこの手法とは一線を画す、「無借金」、つまり現金購入で行う不動産投資だ。
一例をあげるなら、5万円や10万円で中古の戸建てを取得して、300万円かけて長持ちするリフォームを行い、月4万円の家賃で貸す。300万円(諸経費別)ほどの投資で年間48万円の家賃収入が得られれば、表面利回りは約15%となる。物件購入時の司法書士代金や不動産取得税、保険料、現地への出張経費を計算に入れても利回り10%以上で回るケースが多いという。300万円程度ならローンを組まずとも捻出できる額だろう。
もちろん、これは最大限うまくいった場合の数字だが、夢物語というわけでもない。不動産投資はリスクが見えやすいため、勉強してポイントを抑えておけば成功しやすいのだ。
実際、著者の脇田氏は元大手企業勤務のサラリーマンからスタートしている。最近は現役のサラリーマン兼業不動産投資家の書籍やセミナーも人気を博している。
ボロ戸建て投資で高利回りが望める理由の一つは初期投資の少なさだが、借り手がつかなければ絵に描いた餅である。どうやって借り手をつけるのか。その前に、ボロボロの戸建て物件をどう探し、リフォームすれば「人が住みたいと思う家」になるのか。
本書ではこれらの点について、現時点で100室(家賃年収4800万円)を有する脇田氏が、実際にサラリーマン時代から副業でおこなってきた実体験やノウハウが明かされている。
ハードルが高そうな不動産投資だが、本書を読むと決してそんなことはないことがわかる。将来の備えのために、副収入を得るために、勉強を始めてみてはいかがだろうか。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。