日々の生活の中で、何をしていても滲み出てくるのが、その人の“センス”です。センスのいい人はどこにいても個性的で格好いいですし、センスが悪いと逆の意味で目立ってしまいます。また、仕事の面においても、センスの良し悪しが成果物に影響することがありますし、人間関係の面においても問われることがあります。
そもそも、センスとは一体なんなのでしょうか。
デザイナーのトミタ・ジュン氏は「センスとは毎日満たされて暮らせる思考法とノウハウです」といいます。センスのよさを身につけることで、行動が「~したい」「~しよう」と能動的になり、日々の充実感や幸福感が大きく増すのです。
では、どうすればセンスを高めることができるのでしょうか。トミタ氏が執筆した『センスの磨き方』(アチーブメント出版/刊)から、センスを培う質問を2つご紹介します。
●部下や後輩に教えていますか?
あなたが上司や先輩だった場合、なかなか覚えの悪い部下や後輩に「どうしてできないんだ」と叱ってはいませんか? これはセンスがない人のすること。ゴールまでの道の道筋を教えても、本人が理解しなければゴールまで辿りつくことはできません。
ここでトミタ氏が紹介しているのが「さとりメソッド」です。
(1)デモンストレーション…まず教えるのではなく、お手本を見せる。内面的な思考プロセスも自然に感じ取れるようにする。
(2)セオリー…仕事の手順とその理由を話す。デモンストレーションの謎解き的な位置づけ。
(3)トライアル…実際にやらせてみる。デザインのセンスがある人は「つくりながら考えた方がラク」ということを体験的に知っている。
(4)褒めちぎり…小さな成功でもたくさん経験させて、しっかり褒める機会を設ける。
「さとりメソッド」はこの4ステップから成ります。押し付けるのではなく、自分でできるようになるためにサポートするのが、センスの高い人です。感情をぶつけるのではなく、相手を尊重し、礼を尽くしてサポートし、気づきへと誘いましょう。
●パンツを自分で選んでいますか?
先程は部下と上司の関係にまつわる仕事面でのセンスの高め方を紹介しましたが、自分自身の感性を向上させる鍛錬、修行の方法はあるのでしょうか?
その一つが、「パンツを自分で選ぶ」というもの。アメリカの芸術家であるアンディ・ウォーホルも「パンツ選びで人となりがわかる」と言ったそうです。
社会、文化、街、モノ、サービスなどを創造するときに要求されるセンスも、パンツを選ぶときに要求されるセンスも、同じ感覚的な自己判断だとトミタ氏は言います。パンツを選ぶときに、どんな感覚的判断を働かせますか? 実はそれは、部屋の絵一枚と壁紙を選ぶときに、その空間は劇的に美しくなるのかという感覚的判断に通じるのです。パンツ1枚を選ぶだけでも、その人のセンスは問われます。自分に似合うパンツを選ぶことをサボっている人は、まずそこから始めてみてはいかがでしょうか。
本書には、センスを磨くための46の質問が用意してあり、その一つひとつに答えていくことで、センスを高められるようになっています。
トミタ氏は「センスは思考法とノウハウ」と言っている通り、常日頃から意識することで高められるもの。「自分はセンスがないから」などと嘆くことはやめて、まずはセンスを高める質問に答えてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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