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テレ東、希望就職先で業界1位に…不利な条件を逆に活用する「弱者の勝利学」

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『不利な条件を強みに変える 弱者の勝利学』(田淵俊彦著、方文社刊)
『不利な条件を強みに変える 弱者の勝利学』(田淵俊彦著、方文社刊)

 在京キー局の中で常に、規模や視聴率、売上げなどあらゆる面で負けている最小・最弱の後発テレビ局であるテレビ東京。しかし、2021年、企業の採用などを支援するワークス・ジャパンによる大学・大学院を卒業予定の学生に就職希望先を尋ねたアンケートの人気ランキングでNHKや他の民放局を押さえ、テレビ業界1位となった。

 なぜ、最小・最弱・最後発のテレ東が学生たちの「一番人気」となったのか。そこにはテレビ業界の弱者ならではの秘密があった。

学生の「一番人気」となったテレ東 その弱者の兵法とは

 『不利な条件を強みに変える 弱者の勝利学』(田淵俊彦著、方文社刊)では、主に世界各地の秘境を訪ねるドキュメンタリーを手掛けてきた第一人者であるテレビ東京プロデューサーの田淵俊彦氏が、「弱小テレビ局」「秘境」「大学という教育現場」の3つの視点から、それぞれの環境から得た弱者の法則と、その具体的な表現方法や鍛え方を田淵氏自身の体験をもとに紹介する。

 テレ東は弱者であることをあえて肯定的に捉え、「弱者の法則」をよく理解し、強者のステージで強者に挑もうとするのではなく、弱者が強者を逆転して勝つための方法を選び、それを迷わず実行したから、冒頭のランキングでも業界1位を獲ることができた。

 では、弱者であるがゆえの立場をテレ東がどのようにして「ストロングポイント」に変えていったのか。デメリットとメリットは表裏の関係であり、メリットという宝物はデメリットの陰に常に存在しているという。なので、その存在に気づき、メリットを引き出すようにアプローチできるかどうかが勝敗を分ける。

 なぜテレ東は、それに気づけたのか。田淵氏はその理由の一つに社風・会社のムードを挙げている。「後発局だから、ニッチなところを攻めていってみよう」「どうせ大勝ちを狙うわけじゃないんだから、大胆にやってみよう」というように、柔軟に、極力自由に物事を考える。斬新なアイデアや高い創造性を持つアイデアが生まれるには、場の雰囲気が少しゆるいくらいの「緊張の緩和」が必要。テレ東の社内では、弱者ゆえに「ゆるさ」があったのだ。チャンスを発見するためには「無用な心の緊張」を解くことが大事ということだ。

 もし今、強者側ではないと感じているのならば、自分を弱者と位置づけ、弱者ならではの新しい視点を得ることで新たな気づきがあるはず。弱者の法則、弱者の発想は、就職活動や仕事でも役に立つだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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