何か面白いこと、楽しいことがあったら、誰かにその話をしたくなる。でも、興奮したまま話しても思っていたより相手にうまく伝わっていないということは多いはずだ。そうすると、とっておきの話が盛り上がりの欠ける話になってしまう。
なぜ、こんなことになってしまうのか。それは、オチのちゃんとある話の組み立てができていないからだ。
本書『話にオチをつける技術』(山田周平/著、こう書房/刊)では、「オチ」のある「6つの話術」の理論をテレビ・ラジオのバラエティ番組や情報番組の元放送作家である著者の山田周平氏が解説する。さらに、実際に考えながら「オチ」をつけられるように練習問題や課題・試験も盛り込まれている。
話がおもしろい人とつまらない人の差は話の組み立てが大きく関係している。そして、組み立てができる人の話には「オチ」がある。では、どうすればいいのか。それには、「オチ」のしくみを理解し、それを効果的に表現する方法を学ぶ必要がある。
本書では、「オチ」のある話術を「謎解き話術」「勘違い話術」「へりくつ話術」「言葉遊び話術」「お前が言うな話術」「どんでん返し話術」の6つに分類。その中から、ここでは「謎解き話術」を紹介する。
「謎解きオチ」の作り方には5つのステップがある。
・大まかに一文でまとめる
・一文の中から「謎」を抜きだす
・その「謎」の答えとなる「オチ」を作る
・「謎」を話の途中に入れる
・最後に「オチ」を入れる
この手順に従って話を作成し、最後に細かい肉付けをしていけば「謎解きオチ」の話の完成になる。この話を作る上で気をつけなければいけないのが以下の3つの注意点だ。
【注意点1】そもそも「謎」が潜んでいるか?
ステップ1の「一文で話をまとめる」という段階で、その話の中に「謎」がまったくひそんでいない場合には「謎解きオチ」の話を作るのは難しい。
【注意点2】「謎」はしっかり解けているか?
最後にしっかりと「謎」が解かれていないと、なんの意味もない。「謎」だけはしっかり解くのが、「謎解きオチ」の最低限のマナー。
【注意点3】途中で正体がバレてはいないか?
「謎解きオチ」の話は、「フリ」=「謎」になっているの。なので、フリである「謎」の正体が途中でバレてしまっている話では、必然的にオチも中途半端になってしまうだろう。