『働く女性 28歳からの仕事のルール』著者・田島弓子氏インタビュー

私はこうして日本マイクロソフトで数少ない女性営業部長になった

田島 基本的には、土日は休むと決めているんですよ。でも、なんとなく来週のことを考えると、「あれはちょっとやっておいたほうがいいかな」とか、「まだ期日までは時間があるけど、落ち着いて考えられる時にやったほうがいいな」とか、そういうことが心に引っかかっている週末は、そのまま過ごしてしまうと、逆にストレスがたまってしまうんですよ。それならば、きちんと時間を区切って会社に行ったほうが、その気持ち悪いことを一気に片付けられるんですね。休日のオフィスは静かですし、集中することもできる。電話もならないし、上司から急に業務を言われることもない。特に頭を使う仕事をする時は最高ですね。

――最近トレンドとなりつつある、ワークライフバランスについても触れられていらっしゃいますね。

田島 はい。ワークライフバランスという考え方を持つことは、非常に重要だと思っています。ただし、ワークライフバランスは、平成不況やリーマンショックの前後に注目された言葉で、重労働で社員たちがストレスをためて疲弊して、体や心を壊してしまうということが社会問題化する中で出てきたので、「仕事50%:プライベート50%」と物理的にバランスを取ることと誤解している人も多いなと感じました。

 私が考えるワークライフバランスとは、このような物理的なバランスではなくて、自分の心のバランスを取ること。生き生きと仕事をしていることが自分にとって非常に重要なアイディンティティであれば、それがバランスのいい状態なのです。周りから見れば、「そんなに遅くまで仕事をして大丈夫なのかな?」と思うかもしれませんが、私はそれを納得して望んでやっていることなので、もちろん病気にもなりません。

――最後に、働く女性の方に向けて、仕事も人生も充実したものにするために、何かアドバイスがあれば頂けますでしょうか。

田島 これは仕事との向き合い方にも関係しています。特に女性は子どもが生まれたり、男性も親の介護が入ってきたりして、自分の人生を自分の都合で自由に使えない時期が必ずやってきます。でも若い時期は、ほとんどの人が自分の人生を自由にデザインできる。そうした時に、自分の人生の相当数を費やす仕事に対して、単純に50%でいいのか? 単にお給料のために働くことでいいのか? という点を、よく考えてみてはいかがでしょうか。

 もっと仕事に真摯に向き合うという発想を持つことで、仕事がすごく面白く感じられたり、やりがいが見いだせたりすることもあるんじゃないかなと思うんですよね。
(構成=大坪和博/PLAN G 代表)

●田島弓子(たじま・ゆみこ):成蹊大学文学部卒業。ブラマンテ株式会社代表取締役。日本人材マネジメント協会会員。IT業界専門の展示会主催会社などにてマーケティング・マネージャーを務めた後、1999年マイクロソフト日本法人に転職。約8年間の在籍中、Windows 2000、Windows XP、Windows VistaなどWindowsの営業およびマーケティングに一貫して従事。当時営業・マーケティング部門では数少ない女性の営業部長に就任。在籍中、個人および自身が部長を務めた営業グループでプレジデント・アワードを2回受賞した。2007年ブラマンテ株式会社を設立。著書に『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』(ディカヴァー・トゥエンティワン)、『プレイングマネジャーの教科書 結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策』(ダイヤモンド社)『女子社員マネジメントの教科書 スタッフ・部下のやる気と自立を促す45の処方箋』(ダイヤモンド社)などがある。

BusinessJournal編集部

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