一方、2015年の新入社員は「見かけはありきたりだが、機能は大きく異なっている」として「消せるボールペン型」と名付けられた。これには、「変化に対応できる柔軟性を持ち合わせているが、教育や指導に熱を入れすぎすると色(個性)が消え、さらに酷使しすぎるとインクが切れる、つまり離職もあり得る」という意味もあるようだ。
いつの時代も、新入社員は「新人類」「変わり者」といった見方をされることが多いが、実際、その言動に頭を抱える先輩社員も少なくないだろう。
今回、インターネット調査会社のマクロミルが運営するコミュニケーションツール「ミルトーク」を利用し、「職場で経験した、新社会人の非常識な言動」を募集した。寄せられた声の中から、「態度・振る舞い」「スケジュール関連」「言葉遣い」のカテゴリに分けて、先輩社員の目撃談をお伝えする。
「無断欠勤は当たり前」「お釣りを自分の財布に」
「態度・振る舞い」については、「無断欠勤を当たり前のようにする」という言語道断なものから、「お昼休みの5分前にフライングして社員食堂に行く」など、注意する気すらなくなるようなコメントが見られた。
ほかにも、「自動販売機で飲み物をごちそうしようと150円を渡すと、120円のジュースを購入。お釣りを自分の財布に……普通、お釣りは返すだろ?」と指摘せざるを得なかった人もいたようだ。
また、「メモを取ってはいるが、いざ仕事を任せると覚えていない。『メモを取れば、それでよし』と思っている」「毎日、遅刻寸前に出社してトイレに直行、10分ほどこもって化粧をしている」「印刷した書類を片手で投げてきた」など、仕事に対する姿勢を疑いたくなるものや、思わずため息をつきたくなる常識はずれな言動が確認されている。
「スケジュール関連」については、「休日出勤を頼むと、『彼女とデートだった』という理由で不機嫌になった」「歓迎会をドタキャンされた。新入社員が来ないため、ただの飲み会になってしまった」「月曜日の朝は決まって酒臭い」と、こちらも信じがたい内容が並ぶ。やはり、いつまでも学生気分を引きずる新入社員も、少なからず存在するようだ。
加えて、「入社式に現れず、そのまま会社を辞めてしまった」「指示を出すまでひたすら休憩している。ずっと様子を見ていないといけないので、自分の仕事が進まない」と、先輩社員の苦労がにじみ出るような事例も見られた。
上司にタメ口、あいさつもできない新入社員
「言葉遣い」についても、目も当てられない事例が並ぶ。「上司や先輩に対して『うん!』と答える」「役員に『ご苦労様』と平気で言う」「体育会系出身なのか『○○っす!』と言い、『です』が使えない」といった感じだ。
仕事の指導については「『資格をたくさん持っているので、教えてくれなくてもわかります』と言われた」「お茶の入れ方を教えたのに、『コーヒーちょうだい!』と先輩に注文する」といった根底を覆すような内容が見られた。極めつけは、「あいさつするのを聞いたことがない。まさか、そこから教えるの?」というコメントだろう。
今回「ミルトーク」で集まったような後輩や部下を持った場合、覚悟を決めて叱ることも大切だが、その“温度”には注意したほうがいいだろう。今は「消せるボールペン型」の彼らも、数年後には新入社員の常識はずれな言動に頭を抱える日が来るかもしれない。そんな時はアドバイスを授けるとともに、「昔もお前は……」と笑い話にしたいものだ。
(文=東賢志/A4studio)