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【3】補助金頼みの太陽光ビジネスとSBエナジー

社運をかけるエネルギービジネスは結局パフォーマンス先行!?

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 もちろん、太陽光ビジネスに乗り出す孫社長にとって、この価格は1円でも高いほうがありがたい。SBエナジーでは全国で合計200MWに上る太陽 光発電設備の設置を計画しており、買取価格が1円異なった場合、その売上額には数億円の開きが生まれるのだ。孫社長が「30円台となれば、太陽光発電事業 は全滅と見られている」と発言しているように、太陽光発電事業の成否はこの買取価格によって決められる。

 だが、全量買取制度の導入は、少しでも安く電力を使いたい市民の側からすれば、市場原理にそぐわない割高な電力料金を負担しなければならないとい うこと。太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)として、電力会社を通じて一般市民の電気料金に上乗せして請求されるのだ。このように市場原理で回ら ない太陽光ビジネスがすでに暗礁に乗り上げているのが、世界一の太陽光発電先進国であり、いち早く脱原発を表明したドイツだという。太陽光発電を普及させ るべく90年より全量買取制度を開始したドイツだが、発電量が増えすぎて、国民負担が増大。その結果、今年2月に導入量の規制や買取価格の見直しなど、ド イツの全量買取制度は大幅な方針転換を迫られた。

「月刊環境ビジネス」(日本ビジネス出版社)編集長の村上朋史氏は語る。「日本でも全量買取制度の開始に向けて、虎視眈々と太陽光ビジネスへの参入 を狙っている企業は多い。また制度が始まれば、これまでまったく太陽光ビジネスに関連のなかった畑違いの事業者からの参入もあるでしょう。全国各地に、現 在とは比べ物にならない数のメガソーラー発電所が設置されるはずです」

 ちなみに、SBエナジー以外には、JR九州や近鉄、大和ハウスなどが参入を表明。また海外では、マイクロソフトやアップル、フェイスブックにグーグルと、名だたる企業が同事業への参入を表明している。

「海外の場合は企業のイメージアップといった側面もあるようですが、日本のEPS(太陽光発電の設置メーカー)にも、さまざまな企業から見積もり依頼が舞い込んでいるようです」(村上氏)

 日本でも全量買取制度が開始され、太陽光発電ビジネスへの参入ラッシュとなれば、電気料金が大幅に増大し、ドイツと同じ失敗を繰り返す可能性は高い。

 しかし、それを恐れ、買取価格を引き下げれば、太陽光発電の普及そのものが難しくなる。普及を取るか、負担軽減を取るか、そのバランスをしっかりと見極められなければ、今後の太陽光発電の成功はない。

太陽光発電普及の大きな障壁は経団連

 将来的には、助成金頼みの状況を打破し、安い価格で発電することができる太陽光発電を普及させなければ、孫社長が目標とする1億kWという膨大な 電力を賄うことはどう見ても不可能。そのためには、太陽光パネルの発電性能を向上させることが急務だ。メーカーによって開きがあるものの、現在、太陽光パ ネルの発電効率はおよそ20%程度。つまり、80%の太陽光は発電に使われないまま利用できない状態だ。この80%を活用するために、日夜研究開発が行わ れている。

BusinessJournal編集部

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