(「同公式サイト」より)
アメリカ兵たちにも被害者は出た。枯葉剤の関連施設が任務地だったアメリカ兵が、帰還し結婚をし子供ができると、その子供たちにも影響が出た。障害を持つ子供たちが多かったのだ。
1985年、4万人もの帰還兵が、モンサント社に対し集団訴訟を起こし、同社は被害を認めないまま、原告に1億8000万ドルを支払うことで突如和解。89年、この和解を不服とした帰還兵や遺族が、再度集団訴訟を起こしたが却下された。
世界シェア90%
この枯葉剤で一儲けしたモンサント社は、今や遺伝子組み換え種の世界90%のシェアを誇り、独占企業といっても過言ではない。同社が遺伝子組み換え種を発売した96年、同社のシェアはわずか2%であったが、08年には90%という驚異的な数字に跳ね上がっていた。
この遺伝子組み換え作物については、多くの専門家から、
「食品としての安全性への疑問」
「生態系のかく乱」
「遺伝的多様性の喪失」
「有機栽培など周囲の農業生産への影響」
といった警鐘の声が上がっている。
モンサント社の遺伝子組み換え種は「自殺する種子」とも呼ばれ、その種は「一代限りで次の種をつくれず、種がつくられない作物は体に良くない」との声も、専門家の間では多く聞かれる。
では、なぜモンサント社がここまでの勢力を持ち、広く世界へ進出できたのか?
その答えのひとつを、ドキュメンタリー映画『フード・インク』(配給:アンプラグド)が示してくれた。この作品は、08年米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品で、日本でも公開された。
映画の中では、複数の「危ない秘密」を持つ大企業がレポートされていた。そのトリを務めたのが、モンサント社であった。
米国政府との強靭なコネクションと癒着
モンサント社に過去在籍していた人たちの多くが、ブッシュ前政権、その前のクリントン政権で政府の要職に就いていた。