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98年、カナダ・サスカチュワン州に農場を持つパーシー・シュマイザーは、モンサント社から特許侵害で訴えられていた。隣人が栽培する同社特許の種子が風に乗り飛んできて、シュマイザーの農地で自生した。同社は特許の種を植えてもおらず、風で運ばれて自生した農地の持ち主であるシュマイザーを提訴したのである。同社の言い分は、混入経路には関係なく、耐性菜種をつくる遺伝子に知的所有権があるためとした。
カナダ最高裁判所は長きにわたった裁判で、04年、シュマイザーに敗訴を言い渡した。
現在、モンサント社は20種類の遺伝子組み換え野菜の栽培を試験している。この秋に日本で公開される映画『モンサントの不自然な食べもの』の予告編では、96年当時の同社社長のロバート・シャピロが、「わが社の遺伝子組み換え作物は、人体への安全性が確認されています」と主張している。
日本モンサント社ホームページでは、次のように同社の“功績”をアピールしている。
「(過去13年の間に)遺伝子組み換え作物の導入によって、農業生産活動によって生ずる温室効果ガス排出量や農薬散布量を削減できたと同時に、農業生産者の収入が大幅に増加したとしています。さらに、遺伝子組み換え技術によって多くの農業生産者の単位面積あたりの収量が増加し、結果として作物生産量が向上したとしています」
ちなみに、この“いわくつき”の遺伝子組み換え種は、すでにモンサント社から農水省に対し、日本での販売許可申請がなされている。
(文=青空ココロ)
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