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補助金審査もズサン、「バイオマス・ニッポン総合戦略」の軽薄さ

総務省も8割がムダだと評価した!?国の再生エネ事業って一体…

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原発の代替としても期待の大きいバイオマス発電。
(8月29日付朝日新聞より)
 2002年に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」(以下、総合戦略)は、木材や家畜の排泄物など、動植物から得られる資源を燃焼・ガス化することにより発電するバイオマス発電を、国家レベルで推進しようとするものである。

 しかし、この戦略については、

 「『バイオマスの利活用推進ありき』の考えで展開されている」
 「事業化が困難な案件や技術が多い」
 「税金ばら撒き型政策だ」
 「地域振興を隠れ蓑にした、補助金目当ての事業が多い」

との批判も多い。間違った政策で山河を荒廃させないためにも、その再構築が求められている。

総務省も呆れた政策のずさんさ

 総合戦略のずさんさは、総務省が昨年2月に発表した、「バイオマスの利活用に関する政策評価」でも明らかになっている。

 それによると、国のバイオマス関連事業214件のうち、総務省が決算額を特定できたのは57%の122件で、決算総額は1374億円(うち92件の決算額は不明)。また、214件のうち「効果あり」と評価しているのは、わずか35件。

 しかも「これらも施設の稼働が低調なものが多く、期待通りの効果が上がっている事業は皆無」とのただし書きつきだ。

 また、政策の目玉のバイオマスタウン構想も、認定された取り組み785件のうち、構想通り実施されているのは35%の277件のみ。

 つまり、バイオマス政策の大半は、税金の無駄遣いに終わっているわけだ。

 国のバイオマス政策がずさんなのは、ひとえに省庁間における予算獲得という利害調整をしただけのもので、現実に立脚した政策を打ち立てなかったからにほかならない。

コストを、再生エネの価格に反映できない

 そもそも、わが国でバイオマス事業が成功し難い最大の理由は、化石燃料の枯渇性、気候変動リスク、大気汚染などの社会的負荷を、再生エネの価格に反映させる仕組みがないことだ。

 例えば、再生エネのFIT(固定価格買取制度)、排出量取引がその仕組みに当たるが、このうち7月から実施されているFITは、先行きは不透明。排出量取引もまだ「試行的実施」段階に過ぎない。

 このため、社会的負荷を初めから除外している化石燃料の「見かけ上の価格」と、バイオマスをはじめとする再生エネは勝負にならず、事業化を困難にしているわけだ。この現実を無視して推進しているのが、総合戦略の致命的欠陥と言える。