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また、毎年応募している株式会社良品計画(無印良品)では、前述の中小企業とは異なり、「そもそも販促としての目的はあまり考えていない」と、あくまでも割り切った姿勢。デザインにこだわった商品を発売する同社では「審査委員長である深澤直人さんを始めとして、デザインのプロたちに、自分たちのプロダクトを客観的に評価していただく場として考えています」と、直接売り上げには結びつけない視点からグッドデザイン賞に応募を続ける。
今年、7件の商品で応募したうち、6件がグッドデザイン賞に選出された同社。数ある商品の中でも、ラジオや加湿器などエレクトロニクス系の商品を応募している。
「例年、応募したほとんどの商品がグッドデザイン賞を受賞しています。ただ、今年は『トイレットペーパー型消臭器』が一次審査で落選してしまった。本来、一次審査で落ちるということはとても珍しいですね」(無印良品担当者)
だが、その顔に落胆の色はうかがえない。それもそのはず、その『トイレットペーパー型消臭器』はドイツで開催される国際的なデザインコンクール「iFプロダクトデザイン賞(iF賞)」を受賞した製品だったからだ。
「国際的には、グッドデザイン賞よりも、iF賞の方が権威も歴史もあり、ネームバリューがあります。ヨーロッパで『グッドデザイン賞』と言っても通じるところはほとんどありませんが、『iF賞』といったら、多くの国でその実力を示すことができます」(同)
現在、無印良品では、アジアやヨーロッパなど20カ国で商品を展開している。やはり、日本をはじめアシア圏内での認知が主となるグッドデザイン賞よりも、国際的に通じるiF賞を重要視しているようだ。
国内では飽和状態となり、欧米にはいまだ影響力が乏しいグッドデザイン賞。不満の声が上がりつつある今、あんまり受賞作品を乱発していては、ありがたみもなくなるというもの。しかも、同賞で落選した商品が、海外では評価を得たという事実もあり、賞そのものの権威にも疑問の目を向けざるを得ないのではないだろうか。
(文=萩原雄太/かもめマシーン)
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