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IGPIパートナー塩野誠「The Critical Success Factors Vol.7」

スマホ、自由にアプリいじれるガジェット…生誕の地は日本?

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「Apple Japan HP」より
 ゴールドマン・サックス、ベイン&カンパニーなどの複数の外資系金融機関やコンサルティング会社を経て、ライブドア時代にはあのニッポン放送買収を担当し、ライブドア証券副社長に就任。現在は、経営共創基盤(IGPI)でパートナー/マネージングディレクターとして企業の事業開発、危機管理、M&Aアドバイザリーに従事するのが、塩野誠氏である。そんな塩野氏が、ビジネスのインフォメーション(情報)をインサイト(洞察)に変えるプロの視点を提供する。

 年末年始は子供たちにとってはサンタさんからのプレゼントやお年玉など、憧れのおもちゃが手に入る時期でもあります。最近の子供たちは、「タブレットPCが欲しい」などと言うのでしょうか? プログラミングができる子供もいるくらいですから、「MacBook Airが欲しい」などとも言うのでしょうか?

 私はアプリ関連ベンチャー企業へのアドバイスや投資を行っているので、アプリ開発の現場を見ることがよくあります。小学生もiPhoneアプリをつくる時代ですし、10代、20代初めのエンジニア(プログラマー)の方が、話をしているそばから、さくさく開発していくのを見るのはとても楽しいです。

 私がかかわった海外のハッカーたちがつくったようなベンチャー企業も、まずは誰かが考えたアイディアを、コードを書いてデモを粗くつくってみて、そこからみんなで中身を洗練していくかたちで開発をしていましたが、そんな環境が普通な会社も増えてきました。彼らは3人くらいでチームを組んで、機動的に開発を行っています。

 今は『Life is Tech!』(中高学生のためのITキャンプ)のように、アプリ開発を子供の頃から教えてくれる場もありますし、それこそインターネット上には開発の仕方やヒントがたくさんあるので、習い事がプログラミングで、普通にコードも書けてしまう子供もいるのかなと思います。

●革命的おもちゃ「電子ブロック」

 そんなことを考えながら、アプリ開発の話を聞いていると、ふと自分の子供の頃は「電子ブロック」というものがあったことを思い出しました。電子ブロックとは、プラスチック製のブロックにトランジスタや抵抗などが組み込まれたものを、まさにブロック上に並べることによって、子供でも回路を組んでラジオや電子サイレンを作成できる革命的なおもちゃであり、1965年に1号機『電子ブロックDR-7』が発売されました。レゴ社がプログラミングできるレゴブロックの『マインドストーム』を発表したのが1998年ですので、それより30年以上も前でした。

 電子ブロックを製造販売したのは、名古屋に拠点を置く電子ブロック機器製造株式会社で、その後は学研と業務提携し、76年に黒色のEXシリーズを発売したあたりで大ブームとなりました。70年代に米国ではLOGOという子供向けプログラミング言語が開発されましたが、教育現場に導入された後に消えていきました。一方、手で組み立てる「プログラム」の電子ブロックは見た目も未来的でかっこよく、人気商品となったのです。

 電子ブロックの先進性は、ブロックを組み合わせて、ラジオなどの好きな機器を作成できるという「プログラミング」可能なところと、ブロックを買い足せば機能が追加できる拡張性にありました。1つの機械なのにブロックをプログラミングすることで、色んな機能をつくれることは小学生的にも衝撃でした。

 といっても、当時はそんな高価なおもちゃはもちろん買えず、裕福な家の友だちが持っていたのを一緒にいじっていました。当時のサンタクロースにとっては、高価過ぎてプレゼント対象外だったのでしょう。友だちからそれを取り上げるわけにもいかなかったので、次第に友達の「ブロック」は使わずに、自分で抵抗やトランジスタをハンダ付けするようになりました。